宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/11/ 8 10:05 大規模な衝撃波が到来しました。磁場がとても大きく南を向いており、磁気嵐が大規模に発達しつつあります。
2004/11/ 8 18:11 磁気嵐が非常に強く発達しています。北海道で低緯度オーロラが観測される可能性もあります。
2004/11/ 9 10:21 昨夜は北海道でオーロラが観測されました。今回の磁気嵐は静まりつつありますが、今夜にかけて次の衝撃波が来るでしょう。
2004/11/10 00:01 18時半(世界時9時半)に衝撃波が来ました。低緯度オーロラは難しいかもしれませんが、オーロラ活動は非常に活発です。
2004/11/10 10:05 更に新しい衝撃波が来ました。磁場強度が非常に強く、午後から南向きになって大きく磁気嵐を発達させそうです。
最新のニュース

2004/11/11 09:31 更新
磁気嵐が非常に発達しました。現在は太陽風、磁気嵐ともに回復に向かっています。今後、新たな衝撃波到来の可能性があります。

担当 篠原

11月8〜9日の夜にかけて、各地で低緯度オーロラの観測が報告されました。
武田康男氏より栃木県日光霧降高原で撮影された写真を宇宙天気ニュースへ送っていただきましたので、
ご紹介したいと思います。どうぞご覧下さい。
2004年11月の低緯度オーロラの観測報告
今回の大磁気嵐に関連して低緯度オーロラなどを観測された方は、ぜひ宇宙天気ニュースへお知らせ下さい。

また、昨夜の話題になりますが、宇宙嵐に関する臨時情報(11月10日17時更新)を作製しています。
参考にご覧下さい。
今晩日本でもオーロラが!?

昨日の太陽風の大擾乱によって、磁気嵐が非常に発達しました。
沖縄の磁場変化を見ると、静穏レベル(青い横線)から最大で-400nTまで下がっています
(下がるほど磁気嵐は発達しています)。
沖縄の観測で最大に達したのは、10日17時(世界時10日8時)頃でした(世界規模で調べると多少ずれると思います)。
8日の大磁気嵐では最大-450nTに達していましたから、それと並ぶ規模の磁気嵐に発達した様です。
磁気嵐からの回復相に低緯度オーロラは観測されやすいという傾向があるのですが、
昨夜はどうだったのでしょうか。

太陽風の擾乱は、速度は衝撃波到来時の800km/秒から一日をかけて緩やかに低下を続けていて、
現在は550km/秒に下がっています。
磁場強度は40〜20nTと大変強い時間が長く続き、
10日10時(世界時10日1時)頃からは-20nT規模の南向きが10時間近く続いたため、
磁気嵐が非常に発達しました。
速度と同様に磁場強度も時間とともに次第に弱まり、現在は10nTを切る程度に下がっています。

オーロラの活動も非常に激しいものでした。
AE指数のグラフを見ると、1500nT規模の激しいオーロラが終日観測されています。
激しい時は2500nTにも達しています。
ただし、今回の様な大規模な磁気嵐になると、オーロラの活動域はより低緯度側に下がる事が知られています。
そのため、AE指数の観測システムではオーロラの活動を正確には捉えきれなくなってしまいます。
本当のオーロラ活動は更に激しいものだったと考えて良いでしょう。

696黒点群の激しい活動は、これでも終わりませんでした。
10日2時(世界時9日17時)にM8.9の中規模フレアを、
10日11時(世界時10日2時)にはX2.5の大規模フレアを起こしています。
これらのフレアもまた、CME(太陽ガスの放出現象)を起こしています。
SOHO衛星LASCO C3カメラの動画をご覧下さい。
2回に渡って、太陽から白いガスが放出されている様子が撮影されています。
696黒点群が太陽の中心を通過して、かなり西に移動した後の現象ですので、
どの程度地球へ向かって来るかが問題です。
これまでのCMEほど効率よく地球方向へ飛んで来るとは思えません。
1つめのCMEに関係した高速太陽風が今日の午後から今夜にかけて、
2つめのCMEに関係した高速太陽風が今日の深夜から明日にかけて到来すると思われます。
引き続き太陽風の状態に注意して下さい。

X2.5フレアのため、太陽からの高エネルギープロトンが再び増加しています。
100PFUを越えたレベルが続いています。
また、放射線帯の高エネルギー電子も警戒ラインの10の4乗を遥かに越えた状態に達しています。
いずれも衛星の運用に支障を生じる要因ですので、注意が必要でしょう。



SOHO LASCO C3カメラが捉えた、CME(太陽ガスの放出現象)。2回放出が観測されている。
(c) SOHO (ESA & NASA)


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。