宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/11/ 8 10:05 更新 大規模な衝撃波が到来しました。磁場がとても大きく南を向いており、磁気嵐が大規模に発達しつつあります。 担当 篠原 8日3時(世界時7日18時)頃、3つめの衝撃波の到来がACE衛星で観測されました。 今回は変化幅も大きく、速度は600〜700km/秒に、磁場強度は50nTにまで強まっています。 この衝撃波による磁場変化は、8日3時半(世界時7日18時半)頃に地上でも観測されました。 沖縄の磁場データでは50nTの磁場の急な増加が観測されています。 衝撃波通過後の太陽風の磁場は、初めは北寄りに推移していましたが、 8日4時半(世界時7日19時半)頃から南寄りに変わり始め、 8日7時半(世界時7日22時半)頃から-40nTの非常に強い南向きが続いています。 太陽風の速度は現在も600km/秒以上を保ち続けているため、磁気圏が非常に激しく乱れる事が予想されます。 沖縄の磁場変化を見ると、 既に静穏レベル(青い横線)から-150nT以上下がっており、磁気嵐が大規模に発達を始めています。 (衝撃波到来時の増加分を考慮に入れると、-200nT近い減少になります) このグラフで、磁場強度(赤線)が下に下がるほど、磁気嵐は激しくなっている事を示しています。 -40nTの強い南向き磁場の影響はまだ及び始めたばかりですので、 今後更に大きく磁気嵐が発達すると思われます。 オーロラ活動を示すAE指数のグラフもまた、激しい変化を見せ始めています。 現在は1000nT規模の活動が観測されていますが、今後更に激しい活動にみまわれると予想されます。 今日は1枚目の図に、静止衛星のGOES衛星が観測している、北向き磁場の変化を示しています。 通常、静止衛星は磁気圏内、つまり地球磁場の勢力圏内にあります。 この時、磁場は主に北を向いています。 この図は3日間の変化を示していますが、初めの2日間のグラフは赤線、青線ともに +70〜+120nTのプラス(北向き)寄りで変化しています。 通常の穏やかな環境ではこの様な磁場の変化が観測されます。 しかし、3日目ではグラフは激しく変化して、-100〜-200nTとマイナス方向(南寄り)にまで変化が現れています。 これは、非常に強い南向き磁場を伴った高速太陽風の影響で、 地球の磁気圏が押し潰され、あるいは次々にはぎ取られ、 静止衛星の軌道が磁気圏から飛び出して、太陽風の中に入ってしまったことを示しています。 磁場がマイナスを向いている時間は、GOES衛星は磁気圏の外の太陽風の世界を飛んでいるのです。 一方、太陽面では696黒点群が更に大規模な活動を起こしました。 8日1時(世界時7日16時)頃に、X2.0の大規模なフレアが発生しました。 (GOES衛星のX線動画をご覧下さい) このフレアによって、高エネルギーのプロトンが太陽から放射されています。 GOES衛星の観測では400PFUのプロトンイベントが観測されています。 こちらについても、衛星への影響が心配されます。 現在、SOHO衛星のデータが更新されていないため、確認はできていませんが、 このフレアもまた大規模なCMEを起こしていそうです。今後の情報にご注意下さい。 696黒点群の活動には今後も注意が必要です。 GOES衛星が観測した北向き磁場の変化。マイナスに変化しているのは、衛星が磁気圏から太陽風に飛び出している事を示している。 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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