宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2004/ 7/27 11:01 更新 太陽風の衝撃波が来ました。太陽風は非常に高速です(1000km/秒)。磁気嵐の発達に注意が必要です。 2004/ 7/27 13:55 追加 太陽風磁場の南向きが強まって来ました。擾乱が激しくなると予想されます。 担当 篠原 今朝、27日7:48(世界時28日22:48)頃、太陽風の衝撃波が地球に到達しました。 これは昨日のニュースでお知らせしていた、 26日0時(世界時25日15時)の中規模フレアに伴うCME(太陽ガスの放出現象)によるものです。 予想よりもかなり早い到着で、衝撃波がかなり高速であることを示しています。 衝撃波が地球に到来した事を示す現象として、 太平洋のヤップ島の観測所(青線)で50nTの磁場の増加が、 ブラジルのサンタマリア観測所(赤線)では70nTの磁場の増加が地上で観測されています。 ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は600km/秒から一気に900km/秒へ上昇しました (ACE衛星の図の4列目黄色線)。 速度はその後も上昇を続け、現在1000km/秒を越えています。 また、太陽風の磁場強度は15〜20nTへ強まっています(ACE衛星1列目の白線)。 現時点では、北寄りを中心に激しく変化している状態で、南向き成分があまり強く現れていません (ACE衛星1列目の赤線。プラスは北向き、マイナスは南向きを示している)。 磁気嵐など、磁気圏の擾乱の発達を決める大きな要素が、この太陽風磁場の南向き成分です。 今後、南向きに大きく振れる様になると、速度が非常に高速なため、擾乱も非常に大きくなるでしょう。 逆に、このまま北寄りに推移した場合、速度が非常に高速ですのである程度擾乱は発達するでしょうが、 大規模な現象にはなりにくいと思われます。 AE指数のグラフを見ると、 衝撃波の到来によって、オーロラ地帯の活動が非常に活発になっています。 今後の活動度は太陽風磁場の変化に大きく影響を受けるでしょう。 太陽黒点の652群はやや規模を縮小しつつある様です。 それでもまだまだ大規模であり、Mクラスの中規模フレアも頻繁に起こしています。 また、SOHO EIT284カメラの太陽画像を見ると、 太陽中心の南寄りに大きなコロナホールが見えています(暗く見えている領域)。 今回の高速太陽風に続いてこのコロナホールの影響が地球に及ぶとすると、 太陽風の高速状態が長く続く可能性もあります。 2004/ 7/27 13:55 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります ACE衛星の観測によると、 27日12時(世界時27日3時)頃から太陽風磁場の南向きが急激に強まっています。 現在、-20nTとかなり強く南を向いています。 磁場強度は25nTに達していますので、このレベルまで強まる可能性もあります。 太陽風の速度は依然1000km/秒と非常に高速で、 このまま太陽風磁場の強い南向きが続いた場合、磁気圏の乱れは非常に大きくなるでしょう。 27日7:48(世界時28日22:48)に地上で観測された太陽風衝撃波の到来。太平洋ヤップ島と、ブラジルのサンタマリア観測所のデータ。 (c) NICT SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC 2004/ 7/27 13:55 追加 ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|