宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 7/21 12:57 M8.6の中規模フレアによるCMEが観測されています。明日の深夜から明後日にかけて衝撃波が来ると思われます。
2004/ 7/22 09:58 フレア活動はやや落ち着いていますが、依然注意が必要です。磁気圏は静穏です。
2004/ 7/23 07:38 太陽風の磁場が大きく南を向いています。磁気圏が大きく乱れ、磁気嵐になりそうです。
2004/ 7/25 17:26 24日15時に2つめの衝撃波が来ました。太陽風が大きく乱れ、磁気嵐が大きく発達しています。
2004/ 7/26 12:57 太陽風の速度が再び上昇し、磁気圏が乱れています。活動は次第に収まるでしょう。
最新のニュース

2004/ 7/27 11:01 更新
太陽風の衝撃波が来ました。太陽風は非常に高速です(1000km/秒)。磁気嵐の発達に注意が必要です。
2004/ 7/27 13:55 追加 
太陽風磁場の南向きが強まって来ました。擾乱が激しくなると予想されます。

担当 篠原

今朝、27日7:48(世界時28日22:48)頃、太陽風の衝撃波が地球に到達しました。
これは昨日のニュースでお知らせしていた、
26日0時(世界時25日15時)の中規模フレアに伴うCME(太陽ガスの放出現象)によるものです。
予想よりもかなり早い到着で、衝撃波がかなり高速であることを示しています。

衝撃波が地球に到来した事を示す現象として、
太平洋のヤップ島の観測所(青線)で50nTの磁場の増加が、
ブラジルのサンタマリア観測所(赤線)では70nTの磁場の増加が地上で観測されています。

ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は600km/秒から一気に900km/秒へ上昇しました
(ACE衛星の図の4列目黄色線)。
速度はその後も上昇を続け、現在1000km/秒を越えています。
また、太陽風の磁場強度は15〜20nTへ強まっています(ACE衛星1列目の白線)。
現時点では、北寄りを中心に激しく変化している状態で、南向き成分があまり強く現れていません
(ACE衛星1列目の赤線。プラスは北向き、マイナスは南向きを示している)。

磁気嵐など、磁気圏の擾乱の発達を決める大きな要素が、この太陽風磁場の南向き成分です。
今後、南向きに大きく振れる様になると、速度が非常に高速なため、擾乱も非常に大きくなるでしょう。
逆に、このまま北寄りに推移した場合、速度が非常に高速ですのである程度擾乱は発達するでしょうが、
大規模な現象にはなりにくいと思われます。

AE指数のグラフを見ると、
衝撃波の到来によって、オーロラ地帯の活動が非常に活発になっています。
今後の活動度は太陽風磁場の変化に大きく影響を受けるでしょう。

太陽黒点の652群はやや規模を縮小しつつある様です。
それでもまだまだ大規模であり、Mクラスの中規模フレアも頻繁に起こしています。

また、SOHO EIT284カメラの太陽画像を見ると、
太陽中心の南寄りに大きなコロナホールが見えています(暗く見えている領域)。
今回の高速太陽風に続いてこのコロナホールの影響が地球に及ぶとすると、
太陽風の高速状態が長く続く可能性もあります。

2004/ 7/27 13:55 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
ACE衛星の観測によると、
27日12時(世界時27日3時)頃から太陽風磁場の南向きが急激に強まっています。
現在、-20nTとかなり強く南を向いています。
磁場強度は25nTに達していますので、このレベルまで強まる可能性もあります。

太陽風の速度は依然1000km/秒と非常に高速で、
このまま太陽風磁場の強い南向きが続いた場合、磁気圏の乱れは非常に大きくなるでしょう。



27日7:48(世界時28日22:48)に地上で観測された太陽風衝撃波の到来。太平洋ヤップ島と、ブラジルのサンタマリア観測所のデータ。
(c) NICT


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC




2004/ 7/27 13:55 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。