宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 7/16 11:36 649黒点群は活発で、今日になってXクラスの大規模フレアを2回起こしています。太陽風、磁気圏は静穏です。
2004/ 7/17 11:01 昨夜遅くX3.6の大規模フレアが発生しました。太陽風の衝撃波が届き、磁気嵐になっています。
2004/ 7/18 06:39 太陽風の大きな変化は終わり、磁気圏は穏やかです。649黒点群は活発です。
2004/ 7/20 11:57 649、652黒点群の活動が活発です。太陽風の速度が急に550km/秒へ上昇しています。
2004/ 7/21 12:57 M8.6の中規模フレアによるCMEが観測されています。明日の深夜から明後日にかけて衝撃波が来ると思われます。
最新のニュース

2004/ 7/22 09:58 更新
フレア活動はやや落ち着いていますが、依然注意が必要です。磁気圏は静穏です。
2004/ 7/22 21:41 追加 
22日19時半に衝撃波が到来しました。太陽風の速度、磁場強度が上昇しています。

担当 篠原

太陽面では、最初に活発な活動を見せていた649黒点群はすっかり小さくなってしまいました。
一方、652黒点群は現在も規模をやや広げている様です。
かなり大きな姿を見せています。

昨日一日、フレア(太陽爆発)の活動はやや落ち着いていました。
しかしつい先ほど、22日9時半(世界時22日0時半)頃に、
M9クラスのかなり大きな中規模フレアが発生した様です。
X線データの最後の部分に急上昇が見えています。
今後も引き続き大規模フレアに対する注意が必要でしょう。
また、黒点が太陽の中心に近づいていますので、
CME(太陽ガスの放出現象)を発生させた場合には地球への影響が大きくなります。

太陽風の速度は引き続き低下を続け、400km/秒と静穏レベルへ戻っています。
磁場強度は5nT程度ありますが、特に南を向くという事も無く、
地球の磁気圏はとても静穏です。
オーロラ活動を示すAE指数のグラフには何の変化も観測されていません。

20日にSOHOで観測されたCME(太陽ガスの放出現象)について、
今夜遅くから、明日にかけて高速太陽風の衝撃波が地球へ来るかもしれないと
昨日の記事で書きましたが、
他研究所の報告などを見ると、あまり高速な放出現象ではなく、
目立った変化を起こさない可能性もあるとの事です。
いずれにせよ、明日いっぱい注意をすれば十分でしょう。
速度が遅い場合でも、太陽風磁場が大きく南を向く事で、
磁気嵐が発達するなどの可能性はあります。

2004/ 7/22 21:41 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
22日19時半(世界時22日10時半)頃に太陽風の衝撃波が地球に来ました。
太陽風の速度が、350km/秒から450km/秒、更に500km/秒へ上昇しています。
プラズマの密度も10個/cc程度に増加、磁場強度も10nT前後へ増加しています。
このため、沖縄の磁場データでは10nT強の急激な磁場の増加が観測されています。

太陽風磁場の南北成分は激しく南北に変化しています。
一定した南向き成分を持っていないため、現時点では磁気圏が大きく乱れる可能性は低そうですが、
引き続き南向き成分の変化に注意が必要です。

この衝撃波は、今日のニュースでお知らせしていた衝撃波とは異なるものと思われます。
それは、到達時間がやや早すぎるという事と、
到達時間が早くなった割には速度の上昇が小幅であるためです。
今後、改めて別の衝撃波が到来する可能性が高いと思います。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT




2004/ 7/22 21:41 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。