宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/ 7/25 17:26 更新 24日15時に2つめの衝撃波が来ました。太陽風が大きく乱れ、磁気嵐が大きく発達しています。 担当 篠原 大きな擾乱が発生していますが、ニュースの更新が遅れてしまい申し訳ありません。 22日に来た太陽風の大きな乱れに続いて、 24日15時(世界時24日6時)に2つめの衝撃波が地球に届きました。 ACE衛星の1日の図ではデータ幅が不足しますので、3日分の図を掲載しています。 いつもの図とは時間幅が異なりますので注意して下さい。 (通常の1日の図も掲載しています) 太陽風の速度が500km/秒から600km/秒に増加し、太陽風の磁場も15〜20nTに急増しました。 地球磁気圏の擾乱に決定的だったのは、太陽風磁場南向き成分の変化です。 ACE衛星のデータの赤線を見ると、初め北を向いていましたが(プラス方向に)、 次第に南向きが強まり始め(マイナス方向)、-15nTから最大で-20nTに達しています。 太陽風が高速であることと、磁場が大きく南を向いたため、 磁気圏に膨大なエネルギーが流れ込み、現在、磁気嵐が大きく発達しています。 沖縄の磁場変化を見ると、24日から擾乱が緩やかに始まりましたが(磁場の減少)、 25日9時(世界時25日0時)頃から急激にマイナス方向に発達が始まり 現時点で既に-150nTまで下がり、磁気嵐が大きく発達している事を示しています。 沖縄磁場変化では、22日に始まった擾乱でも23日15時(世界時23日6時)ころに 静穏レベルから-150nT下がる程の磁気嵐が発生していました。 これは24日朝にかけて終わっています。 オーロラ活動も大変強まっています。 AE指数のグラフを見ると、沖縄磁場と同様に、 25日9時(世界時25日0時)頃から大きな変化が見られています。 1000nTレベルの変化が連続的に見られ、時おり1500nTに達する激しい変化が見られています。 太陽風の速度は現在も500km/秒とやや高速の状態が続き、 磁場強度は20nTと大変強い状態が続いています。 ただし、ACEデータの最新値を見ると、 太陽風磁場の南向き成分が減少する兆しが現れています。 このまま北向きに切り替わると、磁気嵐など擾乱の発達はここで落ち着くでしょう。 逆に、再び南向きに戻った場合は、引き続き擾乱の発達や継続につながります。 今後の太陽風データに注目して下さい。 太陽黒点の652群は太陽の中心線を過ぎ、西へ向かっています。 規模は現在も大きく、Mクラスの中規模フレアやCクラスの小規模フレアを多発させています。 引き続き注意してください。 652黒点群は肉眼で見える大きさに達しています。 日没前の暗くなった時に太陽を見ると、中心付近に小さな黒点を確認できるかもしれません。 天気が良ければ一度お試しください。 太陽の高度が下がり、輝度が十分下がってから観測して下さい。 ACE衛星が観測した、23〜25日の3日間の太陽風の変化。横軸の数字は日付になります。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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