宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 5/18 11:41 磁気圏は穏やかです。太陽風の速度は320km/秒に下がっています。
2004/ 5/19 10:35 太陽風磁場のセクター境界を越えました。磁気圏は穏やかです。
2004/ 5/20 10:47 太陽風磁場の強度が強まっています。また、コロナホールのため速度も上昇を始めています。
2004/ 5/21 11:41 コロナホールのため、太陽風の速度は550km/秒に上昇しています。
2004/ 5/22 11:48 M2.6の中規模フレアが発生しました。太陽風速度は500km/秒が続いています。
最新のニュース

2004/ 5/23 10:45 更新
太陽風の速度は下がり始めています。磁気圏は穏やかです。618黒点群でフレアが活発です。

担当 篠原

コロナホールの影響から抜け始めています。
太陽風の速度(ACEデータの黄色線)が緩やかに低下を始め、間もなく450km/秒まで下がろうとしています。
太陽風はこのまま緩やかに静穏レベル(400km/秒程度)へと戻って行くでしょう。
今後、1週間程度は穏やかな状態が続きそうです。

磁気圏は大変穏やかです。オーロラ活動を示すAE指数にはほとんど変化が見られませんでした。
太陽風の磁場は現在も5nTレベルが続いていますので(ACEの白線)、
大きく南を向いた場合にはオーロラが活発になる可能性はあります
(ACEの赤線がマイナスに振れた場合)。
ただし、太陽風の速度が低下しつつありますので、大きな乱れには発達しないでしょう。

太陽黒点では618群が規模を拡大しています。
昨日Mクラスの中規模フレアを起こした後も、Cクラスの小規模フレアを6回程おこしています(最大C2.2)。

SOHO EIT284カメラで、約27日前の、
太陽が同じ面を地球に向けていた頃の太陽画像を今日の画像と比べてみます。
左の今日の画像では、618黒点群が見えている左端やや下の領域がとても明るく光っています。
前回(4月26日)の画像では、この部分はやや明るい筋が見える程度です。
その他の明るい部分、太陽の中心やや上や、右の端の領域は
同じ様な場所で同じ様な光り方をしています(もちろん変化していますが)。
618群がこの1ヶ月で急に発達してきた事がよく分かります。
可視光ではほとんど変化が分からない太陽も、違った光で観察すると激しく変化しているのです。

放射線帯の高エネルギー電子が増加を始めています。
今後の変化に注意が必要です。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

5/22 19:05 UT

4/26 21:42 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。