宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (CRL)
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (CRL)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (CRL)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (CRL)
Dst予測 (CRL)
AE指数 (CRL)
Dst (京都大学)
CRL磁力計 (CRL)
シベリア磁場 (CRL)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CANOPUS)
オーロラ(衛星) (CRL)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙天気システムグループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 3/ 3 10:54 太陽風は650km/秒と高速です。オーロラ活動がやや活発になっています。
2004/ 3/ 4 11:06 太陽風は高速状態が続いています。高エネルギー電子が増加しています。
2004/ 3/ 5 11:06 コロナホールの影響は弱まり、太陽風の速度は450km/秒へ低下しました。
2004/ 3/ 6 10:35 太陽風の速度は400km/秒まで下がり、磁気圏は静かになっています。
2004/ 3/ 7 06:43 新しい黒点群が小規模フレアを頻発しています。磁気圏は静かです。
最新のニュース

2004/ 3/ 8 10:44 更新
太陽風・磁気圏は静穏です。今日の後半から明日以降太陽風の擾乱が予想されます。

担当 篠原

GOES衛星の観測によると、静止軌道の高エネルギー電子の密度は次第に減少し、
警戒値と言われる10の4乗の線からようやく下がりました(1枚目の図参照)。

太陽風は速度400km/秒以下が続いています。
磁気圏もたいへん穏やかで、オーロラ活動を示すAE指数には全く変化が見られませんでした。
太陽のフレア(太陽爆発)活動は低下していますが、
黒点の570群が発達しており、中規模のフレアを起こす可能性があります。

これから、太陽風の磁場構造の境界であるセクターの切り替わりがやってきます。
具体的には、太陽風の磁場の方向が「太陽から地球向き」から「地球から太陽向き」に切り替わります。
今日の2枚目の図をご覧下さい。
太陽(赤丸)の周りに広がる、色分けされた磁場構造は反時計回りに27日周期で回転しています。
地球(青丸)の位置を見ると、もうすぐ桃色から黄色に変わりそうです。
この現象そのものに磁気圏を乱す要素はほとんど無いのですが、
この切り替わりに伴って、太陽風に乱れが現れることがあります。

特に、今回の切り替わりでは、その直後にコロナホールによる高速太陽風がやってきます。
太陽の同じ位置が地球を向いていた27日前のデータを見ると、
両者に挟まれる様に、太陽風の磁場が急速に強まる現象も観測されています。
(ニュース左の「27日周期」の図をご覧下さい。
図の2/10以降の変化が、27日前の太陽風と磁気圏の様子を示しています)

今後の予想ですが、
今日の後半から明日以降、太陽風磁場が急に強まり、磁気圏が大きく乱れる可能性があります。
そして、明後日頃から太陽風の速度が非常に速くなります。
磁気嵐やオーロラ活動が激しくなるなど、乱れた状態が5日程度続く可能性があります。

SOHO EIT284カメラの太陽画像で、今日と27日前のコロナホールを比較してみます。
コロナホールの位置はほぼ同じですので、高速風の開始時期はほぼ予想できるでしょう。
しかし、コロナホールそのものを比べると、前回よりもより濃く、はっきりと見えています(特に左半分)。
あるいは、前回以上に激しい高速風が地球にやってくるかもしれません。



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC


磁場のセクター構造。桃色は太陽から地球向き、黄色は地球から太陽向き。
(c) CRL


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/ 7 19:06 UT

2/ 9 19:06 UT


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。