宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/ 1/23 10:16 更新 太陽風磁場が大きく南を向いたため、磁気擾乱が急激に発達し、磁気嵐となっています。 2004/ 1/23 17:40 追加 太陽風は速度500km/秒に下がりましたが、磁場の南向きが続いています。磁気嵐は続いています。 担当 篠原 22日10時半(世界時22日1時半)に始まった、太陽風の衝撃波による擾乱は、 22日19時(世界時22日10時)に太陽風磁場が非常に大きく南を向いた(-20nT)ため、磁気嵐に発達しました。 太陽風の磁場はその後も-5nTの南向きを維持しており、引き続き磁気擾乱が続いています。 一枚目にGOES衛星が観測した、静止軌道の北向き磁場の変化を掲載します。 図の右寄り、1月22日(世界時)の真ん中付近で、 赤のグラフがマイナス側に振れている時間帯が見られます。 これは、太陽風の磁場がたいへん大きく南を向いたために地球の磁気圏がどんどんはぎ取られてしまい、 とうとう静止衛星が磁気圏の外側、太陽風の中へ飛び出してしまった事を示しています。 今回の様な、太陽風衝撃波が大きな南向きの磁場を運んで来た場合に見られる現象です。 ACE衛星の太陽風観測では、太陽風速度は衝撃波到着時に最大700km/秒に達しましたが、 その後次第に下がり、現在は550km/秒にまで落ちています。 太陽風速度としてはやや速いという程度です。 一方、磁場は、-20nTに及ぶ強い南向きが1時間強続きました。 以降、半日にわたって、全磁場は10nTの強度、-5nT程度の南向き成分を保ち続けています。 この傾向はまだしばらく続きそうです。 太陽風の速度がある程度の高速を保っている間は、磁気擾乱を継続させるでしょう。 沖縄の磁場変動を見ると、太陽風磁場の強い南向き変化によって、 22日23時(世界時22日14時)頃に、最も下がった状態に達しています(磁気嵐として一番発達している)。 衝撃波到達後の変動幅は250nTを超えています。 磁気嵐の発達の程度を示すDst指数を見ると、最大の変化幅は約150nTで中規模の磁気嵐と言えるでしょう。 太陽風磁場が継続的に南を向いている事もあり、AE指数は500〜1000nTの変動が続いています。 時おり1500nTに達するものも見られ、かなり活発なオーロラ活動が観測されたと思われます。 太陽風はこれから更に速度を下げ、静穏レベル(400km/秒程度)へ戻ると思われます。 速度が500km/秒を切るまでは、磁場の南向き成分によって磁気擾乱が活発に続くでしょう。 2004/ 1/23 17:40 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります 太陽風速度はゆっくりと低下を続け、500km/秒にまで下がりました。 太陽風磁場は現在も10nTレベルの強度を持ち、南向き成分も-5nT強の状態が続いています。 このため、磁気擾乱はまだしばらく継続すると思われます。 しかしながら、太陽風の速度がかなり下がってきましたので、擾乱としては比較的穏やかなものとなるでしょう。 沖縄の磁場データでは、現在も静穏レベル(青線)から-80nT程度下がった水準にあります。 磁気嵐はこれから2〜3日かけて次第に弱まって行くと思われます。 ただし、21日に別のFull Halo CMEが観測されており、 新たな衝撃波が今夜から明日にかけて地球へ及ぶ可能性があります。 その場合は、磁気嵐が再び発達したり、磁気擾乱が激しくなる事も予想されます。 GOES衛星による、静止軌道の北向き磁場の変化 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) CRL リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, CRL 2004/ 1/23 17:40 追加 ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) CRL | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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