宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 1/ 1 11:38 太陽風磁場の南向き成分が強くなったため、オーロラ活動が活発になっています。
2004/ 1/ 2 12:19 太陽風が高速です。オーロラ活動も活発です。あと1日程度で一旦静まると予想されます。
2004/ 1/ 3 09:38 太陽風の速度は下がり、静穏に戻りつつあります。しかし、明日以降警戒が必要です。
2004/ 1/ 4 10:51 昨日、一時的に太陽風が高速になりました。これから、更に大規模な高速風領域に入ると思われます。
2004/ 1/ 5 09:43 太陽風はやや高速で、オーロラを活発にしています。これから太陽風は更に速度が上昇すると思われます。
最新のニュース

2004/ 1/ 6 10:34 更新
太陽風の速度が上昇して600km/秒を超えています。更に速くなる可能性があります。

担当 篠原

太陽風の速度(ACEの黄色線)は次第に上昇して、650km/秒に近づいています。
太陽自転の前周期の経過を振り返ると、今後も更に上昇して800km/秒という速度に達する可能性もあります。
太陽風の磁場強度(白線)はやや減少して、5nT程度に落ちています。
ただし、南北成分(赤線)は振動する様な変化を示していて、
高速風という事もあり、地球への影響はかなり大きくなっています。
このためオーロラは活発な状態が継続しており、AE指数のグラフを見ると500nT前後の変化が続いています。

この数日、太陽風が高速になっているため、地球周辺の放射線帯の高エネルギー電子が増加している様です。
今日の1枚めの図に、GOES衛星による静止衛星軌道上の高エネルギー電子の変化を示しています。
赤、青線は2MeV以上というエネルギーの非常に高い電子の量を示しています。
黒い横線がいくつか引いてありますが、この中の10の4乗の線に注目して下さい。
宇宙天気環境が悪化すると、人工衛星ではさまざまな障害が発生します。
高エネルギー電子が10の4乗の線を越える頃から、障害の発生が始まると言われています。
青線がこの10の4乗の線を越えつつあります。
これから数日間高速太陽風が続くため、さらに電子の量が増加する可能性があり、
衛星運用では注意が必要です。

太陽では、M6.9という中規模のフレア(太陽爆発)が5日12時(世界時5日3時)に発生しています。
発生箇所は太陽の中心から東よりにある536黒点群です。



GOES衛星よる、静止衛星軌道上における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。