宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2003/12/14 08:30 コロナホールの影響が続いています。
2003/12/15 10:35 太陽風の速度は次第に低下しています。
2003/12/16 10:38 コロナホールの影響を抜けた様です。太陽風速度は通常レベルへ低下するでしょう。
2003/12/17 10:44 太陽風の速度は順調に低下しています。
2003/12/18 11:14 磁気圏は静かな状態になっています。
最新のニュース

2003/12/19 10:41 更新
静穏な状態が続いています(セクター構造を越えた様です)。次のコロナホールに注意してください。

担当 篠原

19日9時(世界時19日0時)に太陽風磁場のセクター構造の切り替わりを越えた様です。
1枚目のACE衛星による太陽風磁場の図をご覧ください。
1枠めの青線は地球付近の太陽風の磁場が
太陽方向を向いている(+側)か、太陽から地球方向を向いている(ー側)かを示しています。
図の世界時0時に青線がー側から+側へ切り替わっているのが分かります。
これは、地球が太陽風磁場の大きな領域の境目を越えた事を意味しています。
領域が切り変わるために、太陽風の様子が大きく変化することがあるのですが(2003年12月5日の記事をご覧ください)、
今回は磁場の方向が逆転した以外はほとんど変化は見られませんでした。
このため、磁気圏が乱れるという事はなかった様です。

太陽風の速度(ACEデータの黄線)は350km/秒にまで下がっています。
このため、磁気圏内はたいへん静かな状態が続いています。
北極域のオーロラの活動度を示しているAE指数のグラフを見ると、ほとんど変化は見られません。
今日もこの様に穏やかな状態が続くと思われます。

SOHO衛星 EIT284カメラの太陽画像を見ると、
コロナホール(太陽面の中で暗く見えている領域)が太陽の中心線を過ぎ、西(右側)へ進んでいます。
コロナホールは太陽の磁力線が外へ開いている領域で、ここからは高速の太陽ガスが外へ向かって吹き出しています。
高温のガスが逃げ出すため他の領域より暗く見えているのです。
暗くて目立ちませんが、地球に取っては危険な領域です。

明後日頃から、このコロナホールの影響で太陽風の速度が上昇すると予想されます。
オーロラの活動が活発になったり、磁気嵐が発達することが予想されます。



ACE衛星による太陽風磁場のデータ
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。