宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2003/12/11 10:38 太陽風が非常に高速です。磁気嵐が発達する可能性があります。
2003/12/12 10:18 高速太陽風は現在も続いていますが、磁気圏の乱れは激しいものではありません。
2003/12/13 06:51 磁気圏は静かです。高速太陽風はもうしばらく続きます。
2003/12/14 08:30 コロナホールの影響が続いています。
2003/12/15 10:35 太陽風の速度は次第に低下しています。
最新のニュース

2003/12/16 10:38 更新
コロナホールの影響を抜けた様です。太陽風速度は通常レベルへ低下するでしょう。
2003/12/16 18:28 追加  太陽風の速度は600km/秒まで低下しています。

担当 篠原

太陽風は予想していたよりも長く、昨日一日非常に高速な状態を継続しました。
高速太陽風の発生源であるコロナホールはすっかり西縁(右端)へ移動していたのですが、
コロナホールの規模が大きかったので、影響の及ぶ範囲も広大だった様です。

ACE衛星のデータによると、15日20時(世界時15日11時)頃から太陽風の速度は低下を始め、
現在は650km/秒まで下がっています。
この後も、次第に低下すると思われます。

太陽風の磁場強度は5nT程度とあまり強くはありませんが、時々南を向いていました。
速度がたいへん高かったので、ある程度のオーロラ活動は見られた様です(AE指数の図を参照)。
今後、磁場の状況が大きく変化しなければ、
太陽風の速度が低下するに従って、活動度は更に下がると思われます。

今後の擾乱の見込みですが、
SOHO EIT284の太陽画像では、南北に長く延びたコロナホールが太陽の東側(左側)に見えています。
5〜6日程で地球に影響を及ぼし始めるでしょう。
南北に延びているので、影響を免れるということは無さそうです。

また、太陽風の大きな磁場構造の切り替わりの場所が近づいています。
セクター構造と呼ばれるものですが、一枚目の図をご覧ください。
紫の部分は太陽風の磁場が太陽から地球へ向かっている領域。黄色の部分は地球から太陽へ戻っている領域です。
この円盤は反時計回りに27日間で一回転しています。
現在、紫から黄色への切り替わりの領域に近づいています。
この切り替わりの時に、太陽風が乱れることが良くあります。
また、切り替わると別の領域に入る事になりますので、その後の磁場の状況にも注意が必要です。

最後に、久しぶりに太陽黒点の写真を見てみましょう。
中央に似た印象の2つの黒点群が見えています。活動的なものではない様です。

2003/12/16 18:28 追加 (篠原)
太陽風の速度は順調に低下し、600km/秒に下がっています。
太陽風磁場の強度も4nT程度へと弱まっています。
このため、AE指数によると、オーロラの活動もすっかり弱まった様子です。

しかし、太陽風の速度が500km/秒を下回るまでは、
太陽風磁場の変化によって擾乱が激しくなる可能性は十分あります。



太陽風のセクター構造
(c) CRL


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)




2003/12/16 18:28 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。