宇宙天気ニュース

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です

これまでの経過
2003/11/20 17:03 衝撃波が間もなく地球に到着します
2003/11/20 17:58 太陽風衝撃波が地球に到着しました
2003/11/20 21:08 磁気嵐が開始しました。強い南向き太陽風磁場のため、磁気嵐が非常に発達する可能性があります。
2003/11/20 23:54 磁気嵐が急激に発達しています。低緯度オーロラ発生の可能性があります。
2003/11/21 09:03 磁気嵐は猛烈な発達をしました。現在は回復相に入っています。
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2003/11/21 21:10 更新
磁気嵐は終息しつつあります。太陽はフレアを活発に起こしています。

担当 篠原

20日17時1分(世界時8時1分)に開始した磁気嵐は、21日朝にかけて-400nTを越える大規模なものに発達しましたが、
太陽風の速度が下がり、磁場の強度も小さくなるにつれて回復相へと移りました。
現在は-100nT程度にまで回復しています。このまま推移すると、2日程度で静穏レベルに戻ると思われます。

先月末から今月初めにかけて、巨大なフレア(太陽爆発)を何度も起こした黒点群が、
ふたたび太陽の東縁(写真左側)から上ってきました(507,508)。
現在はフレアを発生させてはいませんが、黒点規模の大きさから考えて、引き続き警戒が必要です。
また、今回の磁気嵐の発生源となったフレアを発生させた黒点群の501は、
その後も活発にフレアを発生させています。

20日のSOHO衛星のLASCO C3に、かなり薄いですがfull Halo CMEが観測されています。
(太陽から噴き出したガスが地球側に向かっているため同心円状に広がって見えるCMEのことです)
22日から23日にかけて、このCMEによる磁気擾乱の可能性があります。


SOHO衛星LASCO C3カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

11/20 10:42 UT

11/20 11:42 UT

11/20 12:42 UT

11/20 13:42 UT


沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。