宇宙天気ニュース

2003/11/21 09:03 作成

当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
担当 篠原
 

過去のニュース

・磁気嵐は猛烈な発達をしました。現在は回復相に入っています。

20日17時1分(世界時8時1分)に開始した磁気嵐は、非常に強い太陽風南向き磁場(約-60nT)のため、
非常に大きく発達しました。
沖縄の磁場観測によると、21日4時(世界時20日19時)頃磁気嵐は極大に達し、その振幅は490nTに及んでいます。
柿岡で観測された大きな地磁気嵐リストによると、今回の磁気嵐は過去80年間で歴代10位前後に達します。
正確な磁気嵐振幅の数値は地磁気観測所の発表を参考にしてください。

非常に大規模な磁気嵐ですので、低緯度オーロラの観測が期待されましたが、
昨夜は全国的に天候が悪く、残念ながら観測情報は得られないと思います。

太陽風速度は次第に下がり、550km/秒とやや速い程度にまで戻っています。
現在も低下傾向にありますので、やがて静穏レベルに戻ると思われます。
太陽風磁場の強さは現在も20nTを保っています。
南向き成分は-5nT程度ですが、
更に南を向いた場合、サブストームなど極域のオーロラ活動を活発にする可能性があります。

磁気嵐は極大を過ぎましたが、現在も300nTの振幅を保っています。
放射線帯の回復など回復相に発生する現象はこれから始まります。今後の推移に注意して下さい。


沖縄の磁場擾乱
(c) CRL

ACE(NASA)が観測した太陽風の磁場(1番上の枠)と太陽風の密度(3番目の枠)、速度(4番目の枠)
(c) NOAA/SEC



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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。