宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
Supported by NIT, Kagoshima College |
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2024/ 5/11 14:11 更新 太陽風の乱れが到来しました。磁気圏では非常に激しい乱れが発生しています。 担当 篠原 今日未明、11日1時40分(世界時10日16時40分)頃に、 ACE衛星で太陽風の急な乱れが観測されました。 速度は、450km/秒から700km/秒と高速の状態に変わり、 磁場強度は、4nTから20〜50nTに強まり、 その後、70nTまで高まっています。 8日昼のX1.0大規模フレアから始まった CME(コロナ質量放出)による太陽風の乱れがやって来た様です。 茨城県柿岡の気象庁地磁気観測所の地上磁場観測では、 11日2時過ぎ(世界時10日17時過ぎ)に地磁気の急な強まりを観測しています。 ACE衛星の観測から20〜30分程度で地球までやって来た様です。 注目していた太陽風磁場の南北成分は、 -40nTに達する激しい南向きが発生しています。 速度の高まりもあり、磁気圏の活動はかなり激しくなっています。 AE指数のグラフは、乱れの最初に2000nTの枠を超えて、 上のグラフに重なるほどの変化になっています。 このまま大きさを読み取ると、4000nTを超えているように思います。 その後は、1000〜2000nTの間を上下していますが、 これは、磁気圏の乱れが非常に激しくなって、 活動の領域がオーロラ帯よりも低緯度側に広がり、 擾乱の規模を正しく測定できなくなっているのではないかと思います。 そして、Dst指数の速報値は、最大で -421nTまで下がっています。 (Dst指数はマイナス方向に発達します) 速報値なので、今後値が修正される可能性がありますが、 Dst指数が-400nTを超えたのは、 2003年11月20日の -422nT以来、21年ぶりです。 もし今後、今回の乱れが -423nTに達した場合は、 1989年3月14日の-589nT以来の激しい磁気嵐になります。 今後の推移に注目して下さい。 また、GOES衛星の磁場の南北成分は、 通常は北向き(プラス)になっているのですが、 太陽風の乱れが到来した頃から、 南向き(マイナス)に変化しています。 太陽風磁場が強い南向きになったことで磁気圏の磁場が剥ぎ取られ、 静止軌道が太陽風の領域に入ってしまったことを示しています。 途中から北向きに戻っているのは、衛星が夜側に回ってきたためです。 現在の太陽風は、速度は700km/秒と高速で、 磁場強度は40nTとかなり強まった状態が続いています。 南北成分は一旦北向きになっていますが、 太陽でCMEの発生が続いたため、 今後も太陽風の乱れが続きそうです。 引き続き活発な活動に注目して下さい。 太陽は、3664黒点群の活動が続いています。 昨日の午後、10日15時半(世界時10日6時半)にX3.9、 今日、11日10時(世界時11日1時)にX5.8と、 Xクラスの大規模フレアが2回発生しています。 これらのフレアでもCMEが発生していて、 X3.9フレアによるCMEの動画を掲載します。 3664群が太陽の南西側(右下)に進んだので、 CMEも右下寄りに広がっていますが、 乱れの端の方が地球に向かっている可能性があります。 X5.8フレアのCMEについては、 SOHO衛星の画像がまだ掲載されていないので、 明日のニュースで紹介したいと思います。 今回、10年、20年に1度クラスの激しい磁気圏の乱れが発生しています。 spaceweather.comでは、 フロリダで撮影されたオーロラの写真が紹介されています。 様々な情報に注目して下さい。 (c) 京都大学WDC 茨城県柿岡の地上磁場観測では、11日2時過ぎ(世界時10日17時過ぎ)に地磁気の急な強まりが発生しています。 (c) 気象庁地磁気観測所 GOES衛星の磁場の南北成分は、通常と反対の南向きになっていました。 (c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース 3664黒点群で発生したX3.9の大規模フレア。 (c) SDO衛星AIA131 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース) X3.9フレアに伴って、CMEが太陽の右下寄りに発生しています。 (c) SOHO衛星LASCO C2、C3 (ESA & NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース) 3664黒点群で発生したX5.8の大規模フレア。 (c) SDO衛星AIA131 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース) SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子 (c) SDO (NASA) SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。 (c) SDO (NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SWPC AE指数(速報値) 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学WDC 27日の太陽周期に合わせた図 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) 作図:宇宙天気ニュース
GOES衛星の太陽X線強度。赤・橙 = 0.1〜0.8 nm、青・紫 = 0.05〜0.4 nm (c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
宇宙天気ニュースは、 鹿児島工業高等専門学校にWebサーバを設置しています。 |