宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:06)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気圏内がやや活動的になっています。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
4/17 --- ---
4/16 --- ---
4/15 --- ---

黒点  4/17 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:08 571 +0.4
-2 h 585 -0.4
-4 h 595 +2.5
-6 h 570 -3.2
-8 h 543 -4.0
-10 h 530 -3.2
-12 h 503 +1.7

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
09:59 -21 -31/ 11
-2 h -20 -23/ 16
-4 h -26 -2/ 7
-6 h -24 -4/ 13
-8 h -14 -14/ 11
-10 h -8 -13/ 16
-12 h -12 -21/ 25

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 4x10^2
4/17 0.6 1x10^3
4/16 0.5 1x10^4
4/15 0.6 9x10^3
4/14 0.7 1x10^4
4/13 0.7 1x10^4

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 4/12 10:27 550km/秒前後の高速太陽風が続いています。磁気圏は比較的穏やかです。
2008/ 4/13 12:33 560km/秒の高速太陽風が続いています。北半球に新しい周期の磁場領域が現れています。
2008/ 4/14 10:23 太陽風は、一時600km/秒台を回復し、現在も560km/秒です。2個めの24活動周期の黒点が北半球に現れました。
2008/ 4/15 15:06 太陽風の速度は400km/秒に下がり、穏やかな太陽風になりました。磁気圏もたいへん静かです。
2008/ 4/16 10:23 太陽風は低速になり、磁気圏はたいへん静かです。放射線帯が大きく減少しています。
最新のニュース

2008/ 4/17 10:06 更新
太陽風の速度が上昇し、600km/秒の高速風がやってきました。

担当 篠原

昨日の予想は見事に外れて、立派な高速太陽風がやって来ました。
現在の速度は570km/秒です。

速度が上がり始めたのは、昨夕、16日19時(世界時16日10時)頃でした。
400km/秒からスタートして、10時間ほどかけて600km/秒まで上昇しました。
速度が最も高まったのは、今朝、17日7時(世界時16日22時)です。
600km/秒を少し超えたところまで行き、
そこから下がって、現在の570km/秒となっています。

磁場強度は、速度が上がり始める頃に10nTまで強まり、
速度上昇後はゆっくりと弱まって、現在は5nTくらいです。


速度が高まったので、磁気圏のオーロラ活動も活発化しています。
500nTから800nTくらいの中規模の変動が起きています。
シベリアの磁場も、昨日(右側3分の1)になって急に変化が激しくなっています。

アラスカライブカメラの写真を1枚掲載します。
満月近いので、雪景が明るく見えています。
印象的なのは、この時刻に、地平線に朝焼けの赤い光が見えていることです。
暗くなる時間がどんどん短くなり、北半球のオーロラシーズンは終わろうとしています。


この高速風の原因ですが、太陽の南極側にあるコロナホールではないかと思われます。
27日周期の図で、前周期の変化を見ると、3月20日に小さな速度の山が見えています。
この頃は全体的に速度が高かったので、目立った変化ではなかったのですが、
この山がよりはっきりしてきたということでしょう。

SOHO EIT195(久しぶりに小さな写真が更新され始めました)で、
現在の太陽と、27日前の太陽を比べてみます。
南極のコロナホールの広がり方としては、それほど変わっていないようです。
この辺りの高速風の分布が今後どうなって行くのか、
以後の周期にかけて、注目したいところです。


太陽風磁場の様子から、地球は高速風領域の中盤にいると思います。
高速風は2-3日くらいだと思いますが、前回の変化からは予想が難しいところです。
磁場強度がもう一段下がると、終わりが近づいています。


放射線帯高エネルギー電子は、激しく変化して下がっています。
この後、上昇するかどうか、注目して下さい。

太陽では、990黒点群が消えて、無黒点になっています。
X線のグラフが小さく変化していますが、990群があった場所で発生したものだそうです。
SOHO EIT195では、太陽の東端に明るい領域が見えています。
前周期に3つ並んでいた活動領域が帰って来そうです。



アラスカのオーロラライブカメラによる、16日19時半(現地16日2時半、世界時16日10時半)のオーロラ。
(c) NICT/SALMON


SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

4/16 19:13 UT

3/20 19:25 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。