宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:36)
昨日、M1.7の中規模フレアが発生しています。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気圏は静かです。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
3/27 --- ---
3/26 03:23 M1.7
3/25 --- ---

黒点  3/27 (NOAA)
磁場 フレア
0987 15 β ---
0988 15 β ---
0989 3 β M2

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:29 594 -3.6
-2 h 564 -0.4
-4 h 574 -1.9
-6 h 552 +1.3
-8 h 553 -5.7
-10 h 558 -3.7
-12 h 564 -1.2

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
09:59 -33 -15/ 10
-2 h -34 -9/ 16
-4 h -32 -15/ 20
-6 h -40 1/ 10
-8 h -37 0/ 21
-10 h -33 -19/ 28
-12 h -28 -23/ 24

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 5x10^1
3/27 0.5 3x10^2
3/26 0.6 1x10^3
3/25 0.6 4x10^3
3/24 0.6 1x10^3
3/23 0.6 2x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 3/22 11:55 太陽風の速度はゆっくりと下がっています。4日ほど静かな日が続きそうです。
2008/ 3/23 11:18 速度440km/秒の太陽風で、宇宙天気は穏やかです。
2008/ 3/24 10:13 太陽風の速度が高まり、500km/秒に上がりました。黒点群が出現しています。
2008/ 3/25 10:20 黒点群が2つに増えています。太陽風は穏やかで、磁気圏も静穏です。
2008/ 3/26 10:43 M1.7の中規模フレアが発生しました。CMEも見られています。太陽風は穏やかです。
最新のニュース

2008/ 3/27 10:36 更新
高速の太陽風がやって来ました。磁場変動の影響で、オーロラ活動がとても活発になりました。

担当 篠原

高速太陽風がやって来ました。
昨日のお昼くらいから磁場強度が強まり始め、
26日18時(世界時26日9時)には10nTに強まりました。

速度の上昇はなかなか始まらなかったのですが、
昨夜、26日21時(世界時26日12時)に急に立ち上がって、570km/秒になりました。
ACEの図を見て下さい。150km/秒くらいの変化ですが、30分ほどで一気に上昇しています。

この中で、昨日の太陽風でたいへん影響が大きかったのは、
磁場の南向き成分の変動です。
-5nTから-10nTくらいの南向き(ACEの赤線がマイナスになる)が半日にわたって、
強まったり弱まったりしながら続いています。
この影響で、地球磁気圏のオーロラ活動がたいへん強められました。

AE指数を見ると、700〜1300nTの大きな変化が断続的に4回ほど発生しています。
特に、まん中の二つは、ぎざぎざした変化が多く見られ、
活発な活動だった様です。

このうちの最初のオーロラ活動の様子を、アラスカのライブカメラの動画で紹介します。
空が暗くなった直後に始まった活動で、
激しい光の帯が右から左に流れて行く様子が見えています。


現在の太陽風は、速度が600km/秒に達しつつあります。
南向き磁場の変化が次第に落ち着いているので、
昨夜ほどの活発さは期待できないかもしれませんが、
オーロラ活動も引き続き見られるでしょう。

SOHO EIT195の太陽写真では、コロナホールは太陽の中心に見えています。
高速風のピークはまだこれからやってくると思われます。


太陽では、987、988、989の3つの黒点群が赤道近くにきれいに並んでいます。
SOHOによる、可視光、磁場、コロナ(EIT195)の観測を並べてみます。
(最後の写真だけ、太陽の大きさが少し小さいので注意して下さい)
3つとも、南半球側に位置しているので、磁場の並びが [ 白(N) 黒(S) ] で揃っています。

昨日のM1.7中規模以降は、Bクラスの小さなフレアが起きた程度です。
STEREOの動画を見ていると、まん中の988黒点群付近が活発に活動しているように見えます。
引き続き、中規模フレアの発生に注意が必要です。



アラスカのオーロラライブカメラで撮影された、26日15-18時(現地25日21-24時、世界時26日6-9時)のオーロラ。
(c) NICT/SALMON


SOHO MDIカメラの可視光、磁場、およびEIT195カメラによる、27日8時(世界時26日23時)頃の太陽の様子。
(c) SOHO (ESA & NASA)


SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/26 23:48 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。