宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 7/16 08:46 高速風は続いていますが、速度は500km/秒に下がりました。磁気圏は穏やかです。
2007/ 7/17 07:06 太陽風の速度は下がり続けています(450km/秒)。コロナホールが太陽の中心に達しています。
2007/ 7/18 09:41 太陽風は通常の状態に戻っています(380km/秒)。これから次の高速風がやって来るでしょう。
2007/ 7/19 10:05 低速の太陽風のため(320km/秒)、磁気圏はとても穏やかです。コロナホールの影響が始まりそうです。
2007/ 7/20 09:48 低速の太陽風が続いています。コロナホールの影響はまだ見られません。
最新のニュース

2007/ 7/21 10:35 更新
高速の太陽風がやって来ました(480km/秒)。南向き磁場の影響で、活発なオーロラ活動も発生しています。

担当 篠原

昨日のお昼くらいから、太陽風に乱れが発生しています。
ACE衛星の観測によると、
20日12時(世界時20日3時)から太陽風の磁場強度が強まり始め、
20日14時半(世界時20日5時半)に10nTに達しました。

それとともに、南北成分が大きく南を向く様になり、
-5nTから-10nTに達する規模で、10時間にわたって磁気圏への影響を強めました。
シベリアの磁場データでは、右側の1日分ほどで活発な変動が観測されています。
AE指数では、500〜900nTくらいの中規模のオーロラ活動が記録されています。

沖縄の磁場データを見ると、静穏レベルから-70nT近い磁場の減少を記録しています。
弱い磁気嵐状態になっていたようです。
ただし、変動の大きさを世界規模で調べると、
平均は-30nT程度で(Dst指数)、擾乱の規模は小さいものでした。

南向き磁場の変動としては、なかなかの規模だったのですが、
この頃はまだ太陽風の速度が400km/秒以下と遅く、
磁気圏へ流れ込むエネルギーの量がそれほど大きくはなりませんでした。
そのため、磁気圏の変動も比較的小さな規模にとどまったのです。


磁場強度の強まりによる磁気圏擾乱に続く様に、太陽風の速度が上昇を始めています。
現在、480km/秒付近で落ち着いています。
速度としては、普通の高速風というところでしょうか。

一方、磁場強度は既に下がり始めていて、5nTを前後しています。
このため、高速風は最高速の領域に達しつつあると思われます。
今後は、現状程度の太陽風が、明日にかけて続くのではないでしょうか。
SOHO EIT 284では、発生源のコロナホールは西へ去りつつあります。

この写真で太陽の東側(左側)に目をやると、
次のコロナホールが縦に細長く見えています。
明日くらいになると、もう少し見やすくなります。
5〜6日後くらいに、次はこちらの影響がやってくるでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏擾乱によって大きく数を減らしています。
今後、増加に転じると思われますが、高速風の規模から考えると、
大きな上昇はないだろうと思います。

963黒点群が沈んで、太陽は無黒点になりました。
フレア活動はとても静かです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。