宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
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LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 3/10 19:27 太陽風磁場の南向きが1日にわたって続いています。低速のため、磁気圏は概ね穏やかです。
2007/ 3/11 08:49 太陽風は低速(320km/秒)で、磁気圏は概ね静穏です。コロナホールが太陽の中心部を通過しています。
2007/ 3/12 10:37 太陽風の磁場強度が強まっています。高速太陽風がこれからやって来ます。
2007/ 3/13 10:19 コロナホールによる高速の太陽風がやって来ました。オーロラ活動はそれほど強まっていません。
2007/ 3/14 10:02 かなり高速の太陽風が続いています(650〜700km/秒)。オーロラも活発に発生しています。
最新のニュース

2007/ 3/15 12:12 更新
高速の太陽風が続いています(640km/秒)。もう2〜3日は高速状態が続きそうです。

担当 篠原

高速の太陽風が続いています。
初めに、ACE衛星によるこの1週間の太陽風の図をご覧下さい。
今日の1枚目の図です(横軸は世界時の日付けです)。

この図によると、11日に、太陽風の磁場強度(白線)が強まり、
プラズマ密度(橙色線)が増える変化が起こっています。
コロナホールによる回帰性の高速風の始まりに見られる変化です。

そして、これに続いて、12日に入った頃から速度(黄色線)の上昇が始まりました。
速度が上がり始めるとともに、オーロラの活動度も増しています。
13日には、速度は600km/秒台の後半にまで上昇しました。
AE指数によると、オーロラはこの頃に最も活発な活動を起こしていた様です。

速度が上がるとともに、磁場強度はゆっくりと弱まって行きます。
12日までは10nTに強まっていたのですが、
13日には7nT、14日には5nTと、段階を踏むように弱まっています。
この変化は、高速風が中盤を迎えると見られる変化です。
磁場強度が弱まって来ると、南向き磁場の振幅も小さくなってしまいます。
このため、オーロラの活動も次第に規模が小さくなっていきます。


さて、いつもの1日幅の図に進みましょう。
ACEの1日データを見ると、太陽風の速度は700km/秒から640km/秒へいくらか下がっています。
下がったと言っても、速度としてはまだかなり高速です。
一方、磁場強度は5nTに下がっています。
この影響でしょう。AE指数を見ると、オーロラはある程度連続的に発生しているものの、
規模は次第に小さいものに変わっています。
今日の図では、500nT前後の変化に留まっています。

27日周期の図を見ると、高速風の規模が広がっているように見えます。
前周期のデータでは、2月15日の後半から速度が下がり始めていますが、
今周期の3月14日には目立った低下は見られません。
今後、速度は次第に下がって行きますが、前回よりは速度が高まった状態が長く続くと思います。


放射線帯の高エネルギー電子は、それほど大きな増加にはなっていません。
まだ、10000の警戒ラインよりは低いままです。
高速風は続いていますので、引き続き注目する必要はあります。

太陽は無黒点のままです。
X線データの変化も大変小さく、フレア活動は穏やかです。




ACE衛星による、7日間の太陽風の変化。12日より高速の太陽風が続いている。速度は黄色の線。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。