宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 3/15 12:12 更新 高速の太陽風が続いています(640km/秒)。もう2〜3日は高速状態が続きそうです。 担当 篠原 高速の太陽風が続いています。 初めに、ACE衛星によるこの1週間の太陽風の図をご覧下さい。 今日の1枚目の図です(横軸は世界時の日付けです)。 この図によると、11日に、太陽風の磁場強度(白線)が強まり、 プラズマ密度(橙色線)が増える変化が起こっています。 コロナホールによる回帰性の高速風の始まりに見られる変化です。 そして、これに続いて、12日に入った頃から速度(黄色線)の上昇が始まりました。 速度が上がり始めるとともに、オーロラの活動度も増しています。 13日には、速度は600km/秒台の後半にまで上昇しました。 AE指数によると、オーロラはこの頃に最も活発な活動を起こしていた様です。 速度が上がるとともに、磁場強度はゆっくりと弱まって行きます。 12日までは10nTに強まっていたのですが、 13日には7nT、14日には5nTと、段階を踏むように弱まっています。 この変化は、高速風が中盤を迎えると見られる変化です。 磁場強度が弱まって来ると、南向き磁場の振幅も小さくなってしまいます。 このため、オーロラの活動も次第に規模が小さくなっていきます。 さて、いつもの1日幅の図に進みましょう。 ACEの1日データを見ると、太陽風の速度は700km/秒から640km/秒へいくらか下がっています。 下がったと言っても、速度としてはまだかなり高速です。 一方、磁場強度は5nTに下がっています。 この影響でしょう。AE指数を見ると、オーロラはある程度連続的に発生しているものの、 規模は次第に小さいものに変わっています。 今日の図では、500nT前後の変化に留まっています。 27日周期の図を見ると、高速風の規模が広がっているように見えます。 前周期のデータでは、2月15日の後半から速度が下がり始めていますが、 今周期の3月14日には目立った低下は見られません。 今後、速度は次第に下がって行きますが、前回よりは速度が高まった状態が長く続くと思います。 放射線帯の高エネルギー電子は、それほど大きな増加にはなっていません。 まだ、10000の警戒ラインよりは低いままです。 高速風は続いていますので、引き続き注目する必要はあります。 太陽は無黒点のままです。 X線データの変化も大変小さく、フレア活動は穏やかです。 ACE衛星による、7日間の太陽風の変化。12日より高速の太陽風が続いている。速度は黄色の線。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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