宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/12/13 11:02 更新 かなり高速の太陽風が続いています(650〜700km/秒)。オーロラ活動も活発です。 担当 篠原 待ちわびていたSOHO衛星EITカメラの観測が再開されました。 今日の1枚目に、およそ20日ぶりのEIT195の太陽画像を掲載します。 (いつものEIT284も間もなく更新されるでしょう) ちなみに、SOHOの観測が止まっていたのは、故障ではなく軌道の問題です。 930黒点群のあるところに、大きな光の筋が見えています。 黒点の周囲に作られている、磁場の構造を現しています。 その930黒点群は、黒点としての規模を拡大しているそうです。 蓄えているエネルギーと関係する、磁場分布の複雑さは、 高まった状態を保っています。 昨日以降、目立ったフレア活動は起こしていませんが、 今日のX線グラフを見ると、静穏時のX線強度がぐんぐん上がっています。 黒点数の勢力が強まっていることと対応しているのでしょう。 今後、930黒点群のフレア活動が活発になる可能性があります。 小・中規模のフレアを起こし始めるかもしれません。 NOAAによると、大規模フレアになる可能性は低いそうですが、 930黒点群の強まりがどのように進展するか、注目する必要はあるでしょう。 現在、黒点群は太陽の中心近くにあり、もし大規模な爆発が発生した場合は、 先週の爆発よりもはるかに大きな影響を地球に及ぼすでしょう。 ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は、 650〜700km/秒とかなり高速の状態が続いています。 ここまで長時間続くと、原因はコロナホールと考えざるをえないとおもいます。 しかし、今日のEIT195では、黒点群が邪魔をして、 コロナホールがありそうな場所が見にくくなっています。 答えは、27日後の次の周期まで待つしかなさそうです。 太陽風の磁場は、強度がやや下がり、5nTを切るくらいになっています。 高速風帯を抜け始めているのかもしれません。 南北成分は、磁場強度と比較するとかなり効率よく大きな振幅を作っています。 そして、今日の図の多くの時間帯で、-3nTから-5nTレベルの南を向いています。 このため、磁気圏では活発なオーロラ活動が発生しています。 AE指数では、1000nTを超える変動が5回にわたって記録されています。 高速風の今後は、発生源の見当がつかないため、よく分かりません。 現在の太陽の中心部にはコロナホールが見られないことから、 これから2〜3日で下がって行くと思いますが、どうなるでしょうか。 太陽放射線は、どんどんレベルを下げ、警戒ラインの10PFUを割りました。 太陽放射線の増加現象は、ほぼ終わりを迎えました。 一方、磁気圏放射線帯の高エネルギー電子の数が増えています。 GOES11の青線が警戒ラインを超えました。 赤線のGOES12はまだですが、現在もかなりの高速太陽風が続いていますので、 更に上昇する可能性は高いと思われます。 衛星の運用では、これから当分の間、注意が必要でしょう。 SOHO EIT195カメラによる、13日9時(世界時13日0時)の太陽の様子。およそ20日ぶりの画像です。 (c) ESA & NASA SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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