宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
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EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/12/ 7 11:18 X6.5の大規模フレアが発生しました。太陽放射線が増加しています。高速風の影響でオーロラが活発です。
2006/12/ 8 01:06 太陽放射線の強度が1000PFUを超えました。たいへん強まっており、注意が必要です。
2006/12/ 8 11:30 太陽放射線が2000PFUに達し、たいへん高いレベルです。高速風の影響で、オーロラ活動も活発に続いています。
2006/12/ 9 12:00 930黒点群は静かな状態を保っています。太陽風の乱れで、オーロラは活発に活動しています。
2006/12/10 13:02 930黒点群の活動は穏やかになりました。太陽風の速度が再上昇して(580km/秒)、オーロラが活動的になっています。
最新のニュース

2006/12/11 12:04 更新
高速太陽風が続いています(600km/秒)。オーロラも活動的です。930黒点群が活動的になるかもしれません。
2006/12/11 18:12 追加 
17時(世界時8時)に、C5.7の小規模フレアが発生しました。930黒点群の活動度が上がっている可能性があります。

担当 篠原

SOHO衛星のLACO C3カメラの画像が整って来たので、動画を2枚掲載します。
ひとつめは、7日3時半(世界時6日18時半)のX6.5大規模フレアの直後に見えていた、
CME(太陽ガスの放出現象)の様子です。
最初の写真で既にガスが噴き出しているため、飛び出す様子は分かりませんが、
太陽を取り囲むようにガスが噴き出しているのが分かります。
この様子では、地球方向にもガスが向かっていますので、
現在の高速太陽風は、このCMEと関係していると考えてもよいのかもしれません。

ふたつめは、6日から10日にかけて(世界時)の
約4日間のSnowstorm(吹雪)の様子です。
太陽放射線が増加すると、SOHO衛星のカメラにノイズを作ります。
その増加と、減少の様子です。
今回は、太陽の東端(左端)付近でフレアが発生したため、
太陽放射線が地球へたどり着くには時間がかかりました。
そのため、放射線のノイズも比較的ゆっくりと増加しています。


930黒点群の磁気的な複雑さが増しているそうです。
これは、930黒点群が再びエネルギーを蓄えたということを示していて、
これから活動度が上がって来る可能性があります。
NOAA/SECの予報では、Mクラスの中規模フレアが起きるかもしれないとのことです。
今のところ、大規模フレアまでの活動になならないようです。

GOESのX線グラフでも、小さな変化が見えています。
今朝、11日10時(世界時11日1時)にC1の小さな小規模フレアを起こしています。

この様な、黒点群のフレア活動の程度は、
GOESのX線動画で見るととても分かりやすいのですが、
動画が停止しているため、詳しい様子が分かりません。
SOHO衛星も観測が休止期間のため(そろそろ終わると思います)、
こちらでも様子が見られず、分析が難しい状況です。


太陽放射線は順調に低下しています。
現在は、70PFUを切るほどになりました。
しかし、依然、警戒レベルの10PFUを超えた状態です。
もうしばらく注意が必要と思われます。


太陽風は、昨日より、600km/秒台が1日続きました。
現在は、やや下がって、600km/秒を切りつつあります。
時期的に考えて、CME(太陽ガスの放出現象)の影響ではないかと思います。
この後は、次第に低下して、通常の速度レベルへと戻って行くでしょう。

磁場強度は5nTと普通の強さです。
南北成分は、+5nTから-5nTにかけて小刻みに振動しています。
速度が高いこともあり、活発なオーロラ活動が続いている様です。
AE指数のデータが停止していますので、シベリアのデータを掲載します。
800nT規模の変動が記録されています。
極域ではにぎやかなオーロラを楽しむことができたのではないでしょうか。

放射線帯高エネルギー電子は、ほとんど変化がありません。
穏やかな状態です。


2006/12/11 18:12 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
11日17時(世界時11日8時)に、C5.7の小規模フレアが発生しました。
発生箇所は930黒点群だと思われます。
これに先立って、11日14時(世界時11日5時)にもC2.8の小規模フレアが起こっています。

X線のグラフを見ると、全体のレベルが上昇しています。
930黒点群の活動度が上がって来ているように思われます。
今後、中規模フレアや、場合によっては大規模フレアの発生があるかもしれません。
しばらく、フレア活動に注目する必要があるでしょう。

930黒点群は太陽のほぼ中心にあります。
フレアに伴ってCME(太陽ガスの放出現象)が発生すると、
今回は地球へ大きな影響を及ぼすことになるでしょう。



7日3時半(世界時6日18時半)のX6.5大規模フレアに続いて観測されたCME(太陽ガスの放出現象)。SOHO LASCO C3による。
(c) ESA & NASA


6日から10日(世界時)にかけて増加した太陽放射線が作った、LASCO C3カメラのノイズ。次第に激しくなり、やがて減少して行く。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC




2006/12/11 18:12 追加

GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。