宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/12/12 10:48 更新 太陽風がかなり高速になっています(700km/秒)。930黒点群は、現在は落ち着いています。 担当 篠原 昨日、3つのCクラス小規模フレアが発生しました。 11日10時(世界時11日1時)にC1.4、11日14時(世界時11日5時)にC2.6、 そして、一番大きいC5.7が11日10時(世界時11日1時)に起こりました。 特に、3つめのフレアのときは、 X線のバックグラウンドレベルまで強まる様な変化を示したため、 930黒点群の活動度が上がりつつあるのかもしれないと考えましたが(昨夜の追加記事)、 その後、X線の強度は下がり、現在は落ち着いた雰囲気になっています。 930黒点群の規模はまだ大きく、磁場の複雑さも強まったままとのことです。 今後も、中規模レベルのフレアを起こす可能性はあるでしょう。 黒点が太陽の中心付近にあるため、 CME(太陽ガスの放出現象)が起こると、地球へは最も効率よく影響が及びます。 フレアが発生した場合、太陽風への影響が重要となるでしょう。 太陽放射線(超高速のプロトン粒子)は、どんどんレベルを下げています。 昨日のニュースの時点では70PFUでしたが、現在は20PFUを切るところまで下がっています。 今日中に警戒レベルの10PFUを割ることになるでしょう。 太陽風が予想外に高速状態を続けています。 昨日のニュース以降速度を増し、 11日14時(世界時11日5時)には650km/秒とかなり高速の状態になりました。 高速風はそのまま安定して速度を保ち、12日2時(世界時11日17時)頃からは更に上昇を始めて、 現在は、700km/秒にまで達しています。 高速風の原因が何であるのか、検討してみましょう。 活発なフレア活動が起こしたCMEによると考えた場合、 最後のMクラス中規模フレア(M2)は8日3時半(世界時7日18時半)に起こりました。 それから既に4日を経過しています。 4日というのは、700km/秒もの高速風が来るには時間が経ちすぎていると思います。 (例えば、単純に太陽までの距離を700km/秒で割ると、2日半で届きます) そして、X線のグラフで見る限りは、M2のフレア以降、目立ったフレア活動は起きていません。 一方、27日周期の図で前周期を振り返ると、この期間の太陽風は低速の状態でした。 ここだけ見ると、コロナホールによる回帰性の高速風でもなさそうです。 しかし、もう1周期前まで振り返ってみます。 27日周期の図 すると、10月20日から25日にかけて、高速風帯があったことが分かります。 この1年間ずっと吹き続けていた高速風なのですが、 前周期の11月に突然見えなくなってしまったのです。 あるいは、この、一旦見えなくなった高速風帯が、今回は影響を及ぼしているのかもしれません。 このように、現時点では原因はよく分からないというのが正直な感想です。 回帰性高速風が復活したのかどうかは、来月に答えが出るでしょう。 かなりの高速風が続いていますが、磁気圏活動はそれほど活発ではありません。 AE指数では、500nT前後の活動が見られている程度です。 南向き磁場がそれほど現れていないためでしょうか。 ただ、ACEの図でも2カ所ほど-5nTくらいの変化が見えているので、 速度が高いこととあわせると、もっと活発になってもよさそうなのですが。 高速風がこの後どのくらい続くのか予想が立ちません。 速度が高まっている間は、オーロラ活動が活発になりやすい状態が続きます。 太陽風磁場がより南寄りになると、現在よりももっと活動的になるでしょう。 高速風が続いている間は注意が必要です。 SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
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