宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2006/12/ 6 12:00 更新 X9のたいへん大規模なフレアが発生しました。フレア活動は活発に続いています。コロナホールによる高速風が始まりました。 2006/12/ 6 19:34 追加 活発なフレア活動が続いています。17時(世界時8時)にM6の中規模フレアが発生しました。 2006/12/ 7 09:00 追加 [速報] 7日未明に、X6.5の大規模フレアが発生しました。 担当 篠原 昨夜、5日19時半(世界時5日10時半)に、太陽でX9.0の非常に大規模なフレアが発生しました。 Xクラスのフレアは、2005年9月以来の発生です。 過去30年間の観測でも、歴代28位という規模になります。 過去の大きなX線フレア(NICT) 発生箇所は、太陽の東の端(左の端)で、新しい活動領域が上がって来たばかりでした。 929黒点群と名付けられたこの領域が、太陽の向こう側からこちら側に上がって来ると共に、 GOESのX線グラフのレベルが上昇し、 Cクラスの小規模フレアが頻繁に発生しました。 そして、昨夜、5日17時(世界時5日8時)にM1.8の中規模フレアが発生、 続いて5日19時半(世界時5日10時半)に、X9.0の非常に大規模なフレアが発生したのです。 フレアの様子を、GOES13のX線動画でごらん下さい。 今日の1枚目に掲載しています。 たいへん残念なことに、フレア以降、X線の画像に白い横線が残っています。 この白線は今朝の画像でも残っていて、どうやらカメラに障害が残ってしまった様です。 GOES13のX線画像は、これまでのGOES12と比較すると格段に品質が向上していて、 本格稼働が楽しみだっただけに、今後の回復を期待したいところです。 フレア活動は現在も活発に続いています。 ちょうど今、6日10時半(世界時6日1時半)に、M1.3クラスのフレアが発生した様です。 今後も活発な活動が続くと予想されます。 再び、Xクラスの大規模フレアが発生することも十分考えられますので、 注意が必要です。 太陽写真では、東端にかすかに929黒点群の姿を見ることができます。 この黒点群は、先月11月10〜20日にかけて肉眼黒点になっていた923黒点群が、 一回転してきたものではないかと思います。 11月8日の宇宙天気ニュースの太陽写真と、今日の太陽写真(12月5日)を比較してください。 11月8日は12月5日のちょうど27日前です。 ほとんど同じ位置に黒点が見えているのが分かります。 フレアに伴って、太陽放射線(太陽から飛んで来た、非常に高速のプロトン粒子)がいくらか増加しています。 増加は6日0時(世界時5日15時)頃から始まり、現在、4PFU程度です。 衛星への警戒レベルは10PFU以上と言われています。 フレアが太陽の東端で起こったため、太陽放射線は地球へは届きにくい状況にあります。 そのため、フレアがたいへん大規模だったわりに、大きな増加になっていないのです。 太陽放射線は今後もゆっくりと増加を続ける可能性があります。 今後の変化に注目する必要はあるでしょう。 また、これだけの規模のフレアですので、 CME(太陽ガスの放出現象)もかなり激しく発生したと思われます。 状況をSOHO衛星のLASCOカメラで見たいところなのですが、12月4日以降画像の更新が止まっています。 これは事故ではなく、SOHO衛星の運用の関係で、現在データが得にくい状態にあるのです。 EITカメラの更新が軒並み停止しているのもその影響です。 LASCOについては、4日までは更新が続いていたのですが、 それ以降は、更にデータが得にくい状態になっているのかもしれません。 更新が再開されるまで、しばらく待つしかありません。 今回は、CMEの発生箇所が地球から見て真横なので、飛び出したガスも大半は横方向へ飛んでいるはずです。 ですので、地球への影響は、全体として見れば最小限に留まるはずです。 今日の1枚目のフレアの動画を見ていると、フレアの輝きの直後に、 CMEに相当する太陽ガスの噴出が写っているように見えます。 地球へやって来るとすれば、右端に向かって飛び出しているガスになりますが、 フレアの規模が大きかっただけに、こちら側へも十分に飛び出しているように見えます。 恐らく、ある程度の規模の衝撃波はやってくるのではないでしょうか。 今夜から明日いっぱいにかけて、太陽風の変化に注目する必要はあると考えます。 さて、なかなか今日は忙しいです。 太陽風は、コロナホールによる高速風領域に変わりつつあります。 ACEの図を見ると、磁場強度がじわじわと強まって、2nTから10nTへ上昇しています。 速度も既に上がり始めていて、300km/秒から、現在は450km/秒近くに達しています。 磁場強度が強まったままですので、速度の上昇はまだ続くと思われます。 前周期は、最高速度は650km/秒にまで達しました。 今回も、コロナホールは大きな姿をしていますので(今日の2枚目の写真を参照してください)、 同程度の上昇が起こるのではないでしょうか。 明日、明後日にかけて、速度の変化に注意してください。 太陽風磁場の南北成分は、現在南寄りの傾向を強めていて、 -5〜-10nTとやや大きめの南向きになっています。 速度が上昇し始めていることと重なって、活発なオーロラ活動につながりそうです。 今後の変化に注目してください。 磁場強度が強まっていると、大きな南向きが現れやすくなり、 磁気嵐、オーロラなどを活発化させる要因となります。 2006/12/ 6 19:34 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります 太陽では活発なフレア活動が続いています。 今朝、6日10時半(世界時1時半)にM1.3の中規模フレアが発生したとお伝えしましたが、 夕方、6日17時(世界時6日8時)にもM6.0の中規模フレアが発生しました。 発生箇所は太陽の東の端(左端)の活動領域です。 昨日のX9を含めて、活発に発生しているフレアの発生源を、 今朝のニュースでは929黒点群と書きましたが、 それは間違いで、930黒点群が正しい番号でした。 929黒点群は、930黒点群の右上にある、もっと小さな黒点群です。 太陽写真ではほとんど識別することができず、誤ってお伝えしてしまいました。 930黒点群は、やがてはっきりと姿を見せてくれるでしょう。 引き続き活発なフレア活動に注意が必要です。 太陽放射線は、ゆっくりと増加を続けています。 現在、6PFUに達しつつあります。 警戒ラインは10PFUですので、まだ下回っていますが、 注目を続ける必要があります。 太陽風は、ゆっくりとですが、速度上昇が続いています。 現在、速度が450km/秒を超えつつあります。 これはフレアの影響ではなく、コロナホールによるものです。 磁場強度は、10nTに強まったままですので、高速風は更に強まるでしょう。 また、太陽風磁場が大きく南を向く傾向が見えています。 現在も、-10nTが2時間ほど続いています。 極域では活発なオーロラ活動が発生しているでしょう。 このまま強い南向きが続いたり、速度が一段と上昇したりすると、 磁気圏の活動も激しくなります。 磁気嵐が発生するなど、こちらにも注意が必要です。 2006/12/ 7 09:00 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります 今日の未明、7日3時半(世界時6日18時半)にX6.5の大規模フレアが発生しました。 930黒点群はたいへん活発なフレア活動を続けています。 また、太陽放射線が警戒ラインを超え、30PFUに達しています。 引き続き増加中で、衛星の運用では注意が必要な状態です。 詳細は後ほどお伝えします。 GOES13衛星のX線カメラで撮影したX9.0の非常に大規模なフレア。5日19時半(世界時5日10時半)に発生した。 (c) NOAA/SEC GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。12月1日2時(世界時11月30日17時)。元の写真はやや左に傾いています。 (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
2006/12/ 6 19:34 追加 GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC 2006/12/ 7 09:00 追加 GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽放射線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|