宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2006/ 7/ 6 11:04 更新 高速風が続いています(600km/秒)。磁気圏の活動度は小規模に下がっています。 担当 篠原 5日4時(世界時4日19時)に898黒点群で発生したC1.4の小規模フレアに続いて、 小規模のCME(太陽ガスの放出現象)が発生しました。 このフレアの前後の898黒点群周辺の様子を、SOHO衛星EIT195の写真を動画にして掲載します。 ループ状の様々な筋が、吹き飛んだり(フレアの発生)、明るく輝いたりしている様子が見えます。 そして、続いて発生したCMEの様子を、SOHO衛星LASCO C2, C3を使って動画にします。 太陽から下へ向かって、ガスが飛び出していく様子が見えます。 小規模のCMEですので、地球への目立った影響はないでしょう。 さて、コロナホールによる高速風が続いています。 速度は600〜620km/秒と高速状態が安定して続いています。 一時20nTまで強まった磁場強度ですが、昨日のニュースの後、すぐに5nTまで下がってしまいました。 その後は5nTで安定しています。 磁場強度がすっかり下がったので、高速風としては最高速に達したと考えられます。 速度がかなり上がりましたので、活発な磁気圏活動も発生しています。 AE指数では、図の最初のところで1000nTに達する活発な活動が観測されています。 また、沖縄の磁場強度も、同じ頃に最大で-90nT近い減少を示しています。 世界的な観測データから磁場の減少度を求めるDst指数でも、この頃に-50nTの変化が記録されており、 弱い磁気嵐が発生しています。 その後、磁場強度は5nTへ急速に弱まり、高速風は続いていますが、 磁気圏への影響は弱まっています。 AE指数で見ると、500nTの小規模の変化に達する程度と全体的に活動が弱まっているのが分かります。 沖縄の磁場強度も、最大の変化を示した後は、静穏レベル(青線)へ向かってゆっくりと戻る傾向です。 高速風はもう2〜3日続くでしょう。 コロナホールの様子から考えて、高速風の規模は縮小しているのではないかと思います。 高速風に続いて発生することが多い、放射線帯高エネルギー電子の増加ですが、 その傾向が見え始めています。 まだ警戒ラインよりも1桁下ですが、GOES衛星の観測で増加が見えています。 明日以降、注意が必要です。 太陽では、898黒点群が相変わらず小規模の活動を続けています。 898黒点群の左側の黒点が見えない領域でも変動が見られたり、 東端から新しく上がって来た黒点群でも活動が見られたりしています。 大きな活動になることはありませんが、しばらくにぎやかな状態が続きそうです。 SOHO EIT195カメラによる、5日4時(世界時4日19時)のC1.4のフレア発生前後の太陽の様子。 (c) ESA & NASA SOHO LASCO C2, C3カメラによる、5日4時(世界時4日19時)のC1.4小規模フレアに続いて発生したCME。 (c) ESA & NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|