宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 5/29 10:33 更新 太陽風に小規模の乱れが発生しました。磁気圏では、小さな擾乱が発生しています。 担当 篠原 28日14時(世界時28日5時)頃、速度が300km/秒から360km/秒に上昇するという 小規模の乱れが太陽風に発生しました。 上昇したと言っても、通常レベルをやや下回る程度で、たいした擾乱ではありません。 26日に発生したCMEを今回の擾乱を対応させると、2日半で来たことになります。 しかし、速度の上昇は400km/秒にも満たない程度でしたので、 この擾乱は別の要因によるのではないかと思います。 太陽風の磁場は5nTでほぼ安定しています。 比較的南寄りの傾向が続いています。 速度上昇の後には、-5nTが5時間くらい続くなど、 磁気圏へ影響が及びやすい状態が続いています。 しかし、速度が遅いためでしょう、AE指数は300nTの小規模の変動が発生している程度です。 SOHO衛星の観測が休止になっていますので、GOESのX線写真を強調処理して、 コロナホールの分布を見ることにします。 これによると、太陽の北西(右上)に、小規模のコロナホールが見えています。 この影響がこれから見られるかもしれません。 ただし、緯度が高めなので、変化はほとんど発生しないかもしれません。 東西(左右)に長く延びて見えますので、影響があればしばらく続くことになりそうです。 これに、26日のCMEの影響が重なってみられるかもしれません。 CME発生から時間が経っていますので、到来したとしても速度の上昇は小幅に留まるでしょう。 むしろ、磁場強度が強まって長時間南向きが続くなどの、磁場の乱れの方が注目されます。 また、X線の写真では、太陽の中心にもコロナホールの暗い影が見えています。 現在、ほぼ正面を向いていますので、3日後(6月1日)頃に影響がやって来そうです。 27日周期の図によると、このコロナホールは、前周期も5月6日に高速風をもたらしています。 最高で650km/秒くらいまで上がっています。 前回も活発なオーロラ活動を起こしています。 太陽では、小規模ですが多数の黒点群が散在して、ややにぎやかになっています。 885から889までの番号が付き、もうひとつ番号の無い黒点群が見えています(890黒点群)。 フレア活動は見られず、穏やかな状態が続くでしょう。 GOES衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。コロナホールを見るために強調処理をしている。29日09:53 (世界時29日00:53)。 (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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