宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
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Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
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オーロラ(衛星) (NICT)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 5/ 6 12:30 太陽風の乱れは収まっています。これからコロナホールによる高速風が到来するでしょう。
2006/ 5/ 7 12:06 高速太陽風が来ました。速度が600km/秒近くに上昇しています。
2006/ 5/ 8 10:09 高速の太陽風が続いています(600km/秒)。オーロラの活動も発生していました。
2006/ 5/ 9 11:29 太陽風の速度は低下しています(500km/秒)。明日以降、次の高速風が到来しそうです。
2006/ 5/10 10:45 太陽風は速度が低下しています(400km/秒)。磁気圏も静穏です。
最新のニュース

2006/ 5/11 10:48 更新
太陽風に磁場、密度の乱れが現れています。高速風がやってくる様です。

担当 篠原

いよいよ高速太陽風領域に入りそうです。
ACE衛星の観測によると、昨日の午後、10日17時(世界時10日9時)頃から、
太陽風に変化が現れ始めました。
磁場強度(白線)がゆっくりと上昇を始め、それまでの3nTから8nTへ強まっています
やや遅れて、太陽風の粒子密度(橙色線)も増加を始め、1個/ccから10個/ccへ密度が上昇しました。
そして最後に、太陽風の速度(黄色線)が上昇を始めています。
400km/秒から460km/秒へと上昇しています。
これからの本格的な速度上昇の始まりを見ているのだと思います。

磁場強度が強まったところで、南北成分が-5nTと南向きになり、7時間近く続いています。
このため、磁気圏の活動度が上昇しています。
速度が高くないため小規模にとどまっていますが、AE指数で500nTの小規模変動が観測されています。
磁場の南向きは現在も続いていて、今後、速度が上昇すると、
南向き磁場による磁気圏の乱れも規模が大きくなります。

SOHO EIT284の太陽写真では、北側(上半分)の真ん中に、コロナホールが縦に長く広がっているのが見えます。
ここから吹き出している高速の太陽風が、地球に当たり始めているのです。
27日周期の図を参考にすると、高速風はこれから3日程度続きそうです。
前回は650km/秒まで速度が上昇しました。
オーロラ活動や磁気嵐などの擾乱は、高速風領域の前半に多く発生します。
今日から明日にかけて、太陽風や磁気圏の変化に注目する必要があるでしょう。

一方、放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の乱れに合わせて、一気に数を減らしています。
今後、高速風が後半に入った頃、再び上昇すると思われますので、
衛星の運用など、放射線帯の影響を考える場合は、明後日以降に注意が必要となるでしょう。

太陽のフレア活動は静穏です。
882黒点群は何の活動も起こしておらず、西に没しつつあります。
太陽の中心付近には小さな880黒点群が見えるだけです(881,883黒点群は消えた様です)。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。