宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/ 5/11 10:48 更新 太陽風に磁場、密度の乱れが現れています。高速風がやってくる様です。 担当 篠原 いよいよ高速太陽風領域に入りそうです。 ACE衛星の観測によると、昨日の午後、10日17時(世界時10日9時)頃から、 太陽風に変化が現れ始めました。 磁場強度(白線)がゆっくりと上昇を始め、それまでの3nTから8nTへ強まっています やや遅れて、太陽風の粒子密度(橙色線)も増加を始め、1個/ccから10個/ccへ密度が上昇しました。 そして最後に、太陽風の速度(黄色線)が上昇を始めています。 400km/秒から460km/秒へと上昇しています。 これからの本格的な速度上昇の始まりを見ているのだと思います。 磁場強度が強まったところで、南北成分が-5nTと南向きになり、7時間近く続いています。 このため、磁気圏の活動度が上昇しています。 速度が高くないため小規模にとどまっていますが、AE指数で500nTの小規模変動が観測されています。 磁場の南向きは現在も続いていて、今後、速度が上昇すると、 南向き磁場による磁気圏の乱れも規模が大きくなります。 SOHO EIT284の太陽写真では、北側(上半分)の真ん中に、コロナホールが縦に長く広がっているのが見えます。 ここから吹き出している高速の太陽風が、地球に当たり始めているのです。 27日周期の図を参考にすると、高速風はこれから3日程度続きそうです。 前回は650km/秒まで速度が上昇しました。 オーロラ活動や磁気嵐などの擾乱は、高速風領域の前半に多く発生します。 今日から明日にかけて、太陽風や磁気圏の変化に注目する必要があるでしょう。 一方、放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の乱れに合わせて、一気に数を減らしています。 今後、高速風が後半に入った頃、再び上昇すると思われますので、 衛星の運用など、放射線帯の影響を考える場合は、明後日以降に注意が必要となるでしょう。 太陽のフレア活動は静穏です。 882黒点群は何の活動も起こしておらず、西に没しつつあります。 太陽の中心付近には小さな880黒点群が見えるだけです(881,883黒点群は消えた様です)。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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