宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
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EIT284 (SOHO)
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LASCO C2 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 5/ 4 13:25 太陽風の磁場強度が強まっています。速度は低速です(320km/秒)。磁気圏は静穏です。
2006/ 5/ 5 14:15 太陽でフィラメント消失が発生し、CMEも観測されています。太陽風磁場の南向きの影響で、磁気圏がやや乱れています。
2006/ 5/ 6 12:30 太陽風の乱れは収まっています。これからコロナホールによる高速風が到来するでしょう。
2006/ 5/ 7 12:06 高速太陽風が来ました。速度が600km/秒近くに上昇しています。
2006/ 5/ 8 10:09 高速の太陽風が続いています(600km/秒)。オーロラの活動も発生していました。
最新のニュース

2006/ 5/ 9 11:29 更新
太陽風の速度は低下しています(500km/秒)。明日以降、次の高速風が到来しそうです。

担当 篠原

地球は高速風の領域を抜け出しつつあります。
昨日のニュース以降、太陽風の速度はゆっくりと低下を続けています。
600km/秒あった速度は、現在500km/秒を切るくらいにまで下がっています。
27日周期の図をごらん下さい。
太陽風の速度(緑色線)と磁場強度(青線)が、前周期ととても良く似た変化をしています。
このまま、今日一日かけて速度は通常のレベルへと下がって行くでしょう。

太陽風磁場は強度が4nTで安定しています。
南北成分は北寄りに推移していて、磁気圏への影響は小さくなっています。
AE指数のグラフは、最初の部分に小規模の乱れが見えているだけで、
その後はほとんど変化がありません。
速度がどんどん低下していることから、この後も穏やかな状態が続くと思われます。

27日周期の図では、前周期の4月13日以降に、再び太陽風速度の上昇が発生しています。
これもコロナホールの影響です。
SOHO EIT284の太陽写真を、昨日(5月8日)と27日前(4月11日)の2枚を並べています。
太陽の中心から北東(左上)寄りに、コロナホールが見えています(周囲より暗くなっている部分)。
どちらの写真もほぼ同じ場所に、同じ様な姿で広がっています。
このため、今周期も前周期と類似した太陽風の乱れがやってくるでしょう。

SOHO EIT284の写真では、コロナホールは太陽の中央線を過ぎたくらいなので、
高速風の到来は3日後くらいになりそうなのですが、
前周期の経過を見ると、やや早めに到来するのかもしれません。
明日、明後日の5月10-11日くらいから太陽風速度の上昇が発生する可能性があります。
それに伴って、磁場強度が強まり、オーロラ活動が活発になると思われます。
今回の高速風もそうでしたが、高速風の到来は、1日程度ずれが生じることはよくあります。

高速風の影響で、放射線帯の高エネルギー電子の密度が増加しています。
昨日より更に増加して、10の4乗の警戒ラインに近づいています。
引き続き増加を続けると思われますので、注意が必要です。
その一方、次の高速風が来て磁気圏内が乱れると、
その影響で高エネルギー電子の密度が一気に下がるという性質もあります。

太陽では、一昨日くらいに姿を見せ始めた882黒点群が、次第に大きさを増しています。
昨日の写真と比較してみてください。
ただ、今のところフレア活動が活発になった様子はなく、太陽は穏やかな状態が続きそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

5/ 8 19:06 UT

4/11 19:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。