宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/12/23 13:25 太陽風は通常の速度(420km/秒)に下がっています。磁気圏はとても穏やかです。
2005/12/24 12:53 太陽風の速度は遅くなり(340km/秒)、北向き磁場のため磁気圏はとても穏やかです。
2005/12/25 09:25 低速太陽風が続いています(320km/秒)。南向き太陽風磁場の影響で、弱いオーロラ活動が見えていた様です。
2005/12/26 11:39 太陽風の磁場の変化によって、オーロラ活動がやや活発になっていました。
2005/12/27 13:26 再び、太陽風磁場の南向きが発生し、オーロラ活動がやや活発になりました。これからコロナホールによる高速風が始まります。
最新のニュース

2005/12/28 13:36 更新
コロナホールによる高速の太陽風が始まりました。現在は650km/秒です。

担当 篠原

コロナホールによる高速太陽風が到来しました。
SOHO EIT284の太陽写真を見ると、
中心からやや右に寄った部分に黒く縦に伸びたコロナホールが見えています。
ここから吹き出した速度の高い太陽風が現在地球に当たっているのです。

ACE衛星の観測によると、
27日18時(世界時27日9時)頃から太陽風の速度が上昇を始めました。
速度はぐんぐん上がっていき、28日6時(世界時27日21時)ころに650km/秒に達しました。
このくらいで最高速度に達したようで、以降は650km/秒のまま安定しています。
太陽風の磁場も、速度の上昇に先立って強度が強まる変化が見られました。
磁場強度は最高で20nTとかなりの強さに達しています。
磁場強度は速度の上昇が終わるとともに弱まっていき、現在は5nTくらいの通常の強度です。

磁気圏への影響を決める太陽風磁場南北成分は、
北寄り、もしくは0nTを挟んで上下に振動する様な変化にとどまっていて、
地球への大きなエネルギーの流れ込みは発生しなかった様です。
シベリアの磁場データを見ると500nTやや越えるくらいの活発なオーロラ活動は見えていますが、
激しい変化にはなっていません。

高速風は4日程度続くでしょう。
磁場強度が下がってしまったので、激しい磁気圏活動がこれから発生する事はないと思います。
しかし、速度が高いので、太陽風磁場の南向きに影響されて、
オーロラ活動が起こりやすい状況が続きます。

太陽のフレア活動は穏やかです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。