宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/12/ 7 13:06 太陽風、磁気圏ともに穏やかです。太陽のフレア活動も見られません。
2005/12/ 8 15:35 太陽風はとても低速になっています(300km/秒)。磁気圏もとても穏やかです。
2005/12/ 9 14:17 太陽風はとても低速です(270km/秒)。周期性のある、太陽風磁場の乱れが今回も到来しています。
2005/12/10 12:50 太陽風の磁場が大きく南を向いています。速度は遅いままで、小規模な磁気圏活動が発生しています。
2005/12/11 12:29 太陽風は、磁場が南寄りを続け、速度は400km/秒に戻りました。オーロラ活動がやや活発になっています。
最新のニュース

2005/12/12 14:35 更新
太陽風の速度が上がり(550km/秒)、オーロラが活発になっています。コロナホールの影響と思われます。

担当 篠原

太陽風の速度は予想以上の上昇を示しています。
昨日のニュース以降も更に上昇を続け、
11日21時(世界時11日11時)くらいには500km/秒に達しました。
その後、500〜550km/秒の幅でゆっくり上下しながら安定した高速状態に入っています。
太陽風磁場も強度が10nTと強めの状態が続き、速度の上昇と対応する変化を示していました。
現在は、急に5nTに下がっています。

これらの変化は、太陽面に新しくコロナホールが現れたことによるものと思われます。
現在はSOHOの太陽写真が更新されていないため、詳しい状況が分かりませんが、
前周期などの変化から見て、次第にコロナホールの規模が大きくなっていたのでしょう。

磁場強度が下がっていますので、速度の上昇はこれで一段落したと思われます。
もうしばらく高速状態が続き、やがてゆっくりと下がっていくでしょう。

速度上昇とともに、太陽風磁場が強い南寄り(-10nT)で推移していたため、
磁気圏のオーロラ活動も活発になっています。
シベリアの磁場データでは、久しぶりに1400nTに達する大きな変化幅が記録されています。
現在は磁場強度が下がりましたので、今後のオーロラ活動はいくらかおとなしくなるでしょう。

太陽のフレア活動は、比較的穏やかです。
GOES衛星のX線動画を見ていると、835、834黒点群が細かいフレア活動を起こしており、
今後発達すると、Cクラスの小規模フレアを起こすようになるかもしれません。



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。