宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 8/ 5 10:59 太陽風は概ね静穏です。磁気圏では小規模のオーロラ活動が続いています。
2005/ 8/ 6 09:21 太陽風の速度がやや上昇しています。コロナホールの影響と思われます。太陽のフレア活動はやや落ち着いています。
2005/ 8/ 7 09:30 太陽風の速度が一段と上昇しています(650km/秒)。オーロラも活発に活動しています。
2005/ 8/ 8 12:20 高速太陽風はピークを過ぎ、低下しています。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。
2005/ 8/ 9 14:58 太陽風はやや高速です(500km/秒)が、磁気圏は概ね静穏です。太陽の黒点群は活動をすっかり弱めています。
最新のニュース

2005/ 8/10 13:12 更新
太陽風は通常の速度に下がりました(420km/秒)。オーロラ活動は小規模の活動が見られています。
2005/ 8/10 18:06 追加 
太陽風磁場の南向きが強まっています(-10nT)。弱い磁気嵐が発生するかもしれません。

担当 篠原

昨日のニュース以降、太陽風は速度をゆっくりと下げ始め、現在は420km/秒まで下がっています。
通常の速度と言っていい速度です。
宇宙天気のもうひとつの大切な要素である太陽風の磁場は、
強度(ACEの図の白線)がほぼ5nTと普通の強さを保っています。
南北成分(赤線)は南向き(マイナス)の-5nT前後の変化が半日ほど続いています。
このため、オーロラ活動は小規模ですが発生しています。
AE指数のグラフでは、500nT前後の変化がたびたび観測されています。

太陽風磁場は現在も南寄りですが、南向きの強度は弱まっています。
このままであれば、オーロラ活動はもう一段穏やかになるでしょう。
太陽風の速度が下がっていることもあり、今後は穏やかな状態が続くでしょう。

放射線帯の高エネルギー電子は密度が一段下がっています。
警戒ライン(10の4乗の線)を割りそうですが、明日まで様子を見る必要があります。

太陽のフレア活動はすっかり穏やかになっています。
X線の強度はBクラスの線を割っています。
X線の動画を見ていても、ほとんど変化が無く、黒点群はどれも穏やかです。
794、795群に続く黒点群は見られず、2〜3日後にはこのまま黒点のない太陽になるかもしれません。

2005/ 8/10 18:06 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
10日15時(世界時10日6時)から、太陽風に乱れが発生しています。
速度はほんの少し速まって、460km/秒になった程度ですが、
磁場強度が10nTに強まり、大きく南を向く様になっています(ACEの赤線がマイナスになっている)。
現在、-10nTの南向きが3時間続いています。

これは、7日14時(世界時7日5時)頃に見られた、フィラメント消失の影響ではないかと思います。
太陽風のプラズマのかたまりが、強い磁場を運んでやってきた様です。

このまま太陽風磁場の南向きが続くと、磁気圏の活動が活発になり、
オーロラ活動を強めたり、弱い磁気嵐を起こす可能性があります。
AE指数のグラフにはその兆しが見えています。

速度があまり速くないため、激しい活動にはならないと思いますが、
南向き磁場が長時間続いて、磁気圏も長時間活発に活動する可能性があります。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)




2005/ 8/10 18:06 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。