宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/ 8/17 11:45 更新 656黒点群は活発ですが、間もなく西に没します。太陽風、磁気圏は静かです。 担当 篠原 656黒点群は、現在も活発にフレア活動(太陽爆発)を続けています。 昨日以降も、M1クラスを最大としてCクラスの小規模フレアを何回も発生させています。 詳しく見ると、やや勢力を落とし始めている様ですが、引き続き注意が必要でしょう。 かなり太陽面の西の端に近づいており、もう2日程度で向こう側に隠れてしまいます。 太陽風は速度が320km/秒まで下がり、かなり遅くなっています。 SOHO EIT284カメラでは、太陽の南寄りにコロナホール(暗くなっている領域)が見えています。 やや南に外れているため、地球への影響は小さいのではないかと思われますが、 明後日頃から太陽風の速度が少し高くなるかもしれません。 また、ここ数日のフレア活動でCME(太陽ガスの放出現象)がいくつも観測されています。 大規模な現象はありませんでしたが、これらの影響で太陽風が乱れる可能性があります。 ACEデータ1列目の磁場のデータを見ると、ここ数時間で強度(白線)が次第に強まって8nTに達しています。 また、南北成分(赤線)が大きく南北に揺らぐなど、変化が目立って来ました。 この太陽風磁場の変化は、今後の変化の前触れの可能性もあります。 昨日お知らせした、1立方cmあたり0.1個程度にまで減少した太陽風密度ですが、 ニュース掲載以降、密度は増加に転じ、現在は1立方cmあたり0.5個から1個程度に回復しています。 専門的な図で、やや分かりにくいかもしれませんが、 今日の図の1枚目に、2つの静止衛星GOES-10とGPES-12が観測した、磁気圏内の磁場変化を掲載します。 この図は3日間の変化を示しています。 左側(3日前)と右側(昨日)は大きく波打っているのに対し、 真ん中(2日前)は振れ幅が小さく、平坦になっています。 昨日も書きましたが、普段の地球磁気圏は、太陽風に押し潰されて吹き流しの様に歪められています。 このため静止衛星が1日かけて地球を1周すると、その歪みを大きな磁場変化として観測します。 それに対して、今回の様に太陽風の密度が減って、圧力が小さくなると、 地球磁気圏は宇宙空間により大きく自由に広がって、歪みの少ない形になります。 図の真ん中の2日前の平坦な部分は、磁気圏の歪みが小さくなったため、 1日の磁場変化も小さくなってしまった事を示しています。 地上10万kmくらいの宇宙空間で、太陽の風と地球の磁場が押し合いをしているのです。 GOES衛星が観測した、3日間の静止軌道の磁場変化。太陽風の圧力が減っていたため、真ん中の1日の変化が小さくなっている。 (c) NOAA/SEC SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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