宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/ 7/28 11:03 更新 太陽風の乱れは収まりつつあります。磁気圏の活動も次第に低下するでしょう。 担当 篠原 昨日の朝(27日7:48、世界時26日22:48)の太陽風の衝撃波以降、 太陽風が非常に高速(1000km/秒)になり、磁場が大きく南を向いた(-25nT)ため、 地球の磁気圏が大きく乱れました。 磁気嵐が発達し、Dst指数は-200nT(下がる程磁気嵐は発達している)に達しました。 参考のため、NICTのDst予測のグラフを掲載します。 オーロラの活動を示すAE指数も変動が激しく、 最大で2000nTを越え、1000nTを前後する活動が連続的に観測されています。 磁気圏の大きな乱れをもたらした、 太陽風磁場の強い南向きは27日23時(世界時27日14時)頃に終わりました。 25nTあった磁場強度が10nT程度にまで弱まり、南向きの強さも弱まっています。 それとともに磁気嵐の発達も終わり、現在は回復に向かっています(Dstの図を参照)。 太陽風の速度は依然700km/秒を越えています。 南向き磁場も弱まったとはいえ、-5nT程度の成分が現れたり消えたりしています。 このため、オーロラ活動は現在も活発に続いている様です。 衝撃波に伴う高速太陽風は次第に収まって行くでしょう。 一方、SOHO EIT284の太陽画像を見ると、太陽の中心やや南寄り(下寄り)にコロナホールが見えており、 こちらの影響による高速風が地球に当たる様になります。 このため、今後数日にわたって太陽風の速度がやや高い状態が続くかもしれません。 太陽面では、2週間に渡って激しい擾乱をもたらした太陽黒点の652群がいよいよ西に没しつつあります。 規模は次第に弱まっている様ですが、M1クラスの小さな中規模フレアは活発に起こしています。 大きな爆発を起こす可能性はかなり下がっていますが、完全に西に没するまでは注意が必要でしょう。 激しい磁気嵐のニュースが続いていましたが、 静止軌道で観測される放射線帯の高エネルギー電子の密度がかなり増加しています。 GOES10の青線は警戒線と言われる10の4乗を越えており、 GOES12の赤線もこの線に達しつつあります。 磁気嵐は収まりつつありますが、衛星の運用では引き続き高エネルギー電子への注意が必要です。 ニューラルネットワークによるDst指数(赤道環電流)の予測(赤線)。 (c) NICT SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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