宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 2/ 9 10:59 太陽風、磁気圏ともにたいへん静かです。
2004/ 2/10 11:00 引き続き太陽風、磁気圏ともに静かです。小規模ですがフレアが頻発しています。
2004/ 2/11 06:31 太陽風、磁気圏ともに静かです。コロナホールの影響がやがて及び始めます。
2004/ 2/12 10:44 太陽風磁場が非常に強まったため、磁気圏の擾乱が激しくなりました。続いてコロナホールによる高速風が来ます。
2004/ 2/13 11:01 コロナホールのため、太陽風の速度が650km/秒を超えています。オーロラ活動も活発です。
最新のニュース

2004/ 2/14 10:31 更新
コロナホールの影響は続いています。磁気圏の高エネルギー電子が急増しています。

担当 篠原

コロナホールの影響で高速太陽風が続いています。
現在も600km/秒台を上下するような状態が続いています(ACE衛星の黄色線)。
太陽風の磁場強度(白線)は5nTに留まっていますが、南北成分(赤線)は常に南北に変化していました。
磁気圏擾乱に重要な南向きの成分(赤線のマイナス成分)が頻繁に現れたため、
AE指数は一日を通して500nT前後の変化を示しており、オーロラ活動はやや活発だった様です。
磁場の全強度がさほど大きくはなかったので、
南向き成分も-3nT程度の変化に留まっており、激しい磁気圏擾乱には至らなかったのでしょう。
太陽風は依然高速ですので、磁場の変化によっては擾乱が急に激しくなることも予想されます。

高速太陽風の影響で、静止衛星軌道の高エネルギー電子の密度が急増しています。
今日の1枚目の図のGOES衛星のデータをご覧下さい。
赤線と青線で示している2MeV以上の高エネルギー電子が、
衛星運用に支障が見られ始める目安と言われる10の4乗の線を越えています。
高速風はまだ続いていますので、しばらく注意が必要でしょう。

SOHO EIT284カメラの太陽画像に見えるコロナホール(やや暗い領域)は、
東端(左端)が太陽の中心を過ぎつつあります。
コロナホールの影響はあと2〜3日は続くと予想されます。

太陽のフレア(太陽爆発)活動はたいへん静かです。
黒点群も目立った規模のものは無く、しばらく静かな状況が続きそうです。



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。