宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 2/ 7 11:06 太陽風の速度は600km/秒まで上昇しています。オーロラ活動がやや活発になっています。
2004/ 2/ 8 06:41 太陽風の速度は400km/秒まで下がり、磁気圏は静かになっています。
2004/ 2/ 9 10:59 太陽風、磁気圏ともにたいへん静かです。
2004/ 2/10 11:00 引き続き太陽風、磁気圏ともに静かです。小規模ですがフレアが頻発しています。
2004/ 2/11 06:31 太陽風、磁気圏ともに静かです。コロナホールの影響がやがて及び始めます。
最新のニュース

2004/ 2/12 10:44 更新
太陽風磁場が非常に強まったため、磁気圏の擾乱が激しくなりました。続いてコロナホールによる高速風が来ます。
2004/ 2/12 14:58 追加  太陽風の速度が上昇して600km/秒を超えています。磁気圏が大きく乱れる可能性があります。

担当 篠原

11日9時(世界時11日0時)頃にセクター境界を越えて、太陽風磁場の新しい領域に入った様です。
ACE衛星の磁場観測データを見ると、磁場の方向がこれまでの太陽から地球方向から、
太陽向きへと大きく切り替わっています。
この切り替わりの領域で、太陽風の磁場が大変強まっています。
ACE衛星の1枠めの白線の磁場強度のグラフを見ると、5nTだった磁場強度が20nTにまで強まっています。

磁気圏擾乱の要因となる南向き成分(赤線のマイナス方向)も
11日19時〜12日3時(世界時11日10時〜18時)にかけて-5〜-10nTと強まりが見られました。
太陽風の速度(黄色線)は400km/秒弱と遅いものでしたが、長時間強い南向きが見られたため、
磁気圏ではオーロラ活動がかなり活発になりました。
AE指数を見ると、500〜1000nTの活発な変化が継続しています。
また、沖縄の磁場変動を見ると、一気に-100nTに達する磁場の減少を記録しており、
小規模な磁気嵐と言える状態になっていた様です。
現在も太陽風磁場は強いですが、北向き傾向になっているためオーロラ活動は穏やかに戻っています。

SOHO衛星のEIT284カメラによる太陽画像では、コロナホールが警戒位置に達しています。
(コロナホールの右端が、太陽の中心と西縁(右の縁)との中間点に達した辺りです)
これから太陽風の速度が上昇を始めると予想されます。
太陽風磁場の強度が大きいため、大きな南向き成分が現れる可能性があります。
この場合は磁気嵐、オーロラ活動などの擾乱が大変活発になります。
これからしばらく、状況の変化に注意が必要でしょう。

GOES衛星のX線データでは、太陽のフレア現象(太陽爆発)は静かな状態が続いています。
太陽黒点の551、554群は勢力を縮小している様です。

2004/ 2/12 14:58 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
12日11時(世界時12日2時)頃から太陽風の速度が上昇を始め、600km/秒を超えました。
これにより磁気圏で磁気嵐が発生したり、オーロラ活動が活発になる可能性があります。
太陽風磁場は、この記事執筆時点では20nTから10nTの間にあります。
南向き成分(赤線のマイナス方向)が強まれば、磁気圏の擾乱が激しくなるでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)




2004/ 2/12 14:58 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。