宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 1/ 8 10:54 昨日は磁気圏擾乱が活発でした。太陽風速度はやや低下していますが、まだしばらく注意が必要です。
2004/ 1/ 9 12:35 太陽風速度の低下で磁気圏は静かになっています。中規模のフレアが今日も発生しています。
2004/ 1/10 07:00 太陽風の南向き磁場の強まりによってオーロラ活動が活発になっています。
2004/ 1/11 10:38 太陽風速度は550km/秒が続いています。小さな衝撃波が届いた様です。
2004/ 1/12 06:34 太陽風速度は一時的に700km/秒へ達しました。現在は550km/秒へ下がっています。
最新のニュース

2004/ 1/13 10:41 更新
太陽風磁場が南向き傾向のため、オーロラ活動が活発になっています。

担当 篠原

太陽風の速度(ACE衛星の黄色線)は徐々に低下し、450km/秒まで下がっています。
このまま静穏レベル(400km/秒程度)へ落ち着くと思われます。

一方、12日22時(世界時12日13時)頃から太陽風磁場の傾向が変わり、
南向き成分を大きく(-5nT程度)持つ様になりました(ACE衛星の赤線)。
この様子は現在も続いており、赤線はマイナス方向を取りながら大きく変化しています。
このため、オーロラ活動が活発になっています。
オーロラの活動度を示すAE指数を見ると、
12日22時(世界時12日13時)以降、500nT前後の変化が続いています。

高速太陽風が一段落付きましたので、今後の展望を考えることにします。
今日の図の1枚目に、SOHO EITカメラによる最新の太陽画像を掲載します。
太陽面中心からやや東寄り(左寄り)に南北(縦方向)に延びるコロナホール(暗くなっている領域)が見えています。
太陽は自転していますので、約27日周期で同じ面を地球へ向けることになります。
その1周期前にあたる、12月17日の太陽画像を2枚目に示します。
大変似た位置に似た形のコロナホールが広がっている事が分かります。
従って、これから10日間程度の太陽風の変化は、27日前を振り返る事で予想できそうです。

3枚目に過去の太陽風の速度変化を描いた図を示しています。
赤線が、27日前の太陽風速度の変化を示しています。
横軸は1目盛り2日刻みで、左から右へ向かって変化すると考えて下さい。
これを見ると、太陽風速度は3日後に300km/秒にまで下がります。
その後コロナホールの影響領域に入り、速度が上昇。600km/秒に達します。
高速風は3日ほど続きそうです。

コロナホールの位置や広がりは変化していますので、常に27日前と同じ変化をする訳ではありません。
ですが、今回は写真に見えるコロナホールの分布が大変似ていますので、
かなり似た速度変化を示すのではないでしょうか。



2004年1月13日の太陽画像(SOHO衛星EIT284カメラ)
(c) ESA & NASA


上の27日前、2003年12月17日の太陽画像(SOHO衛星EIT284カメラ)
(c) ESA & NASA


太陽風速度の27日間の変化
(c) CRL


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。