宇宙天気ニュース

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です

これまでの経過
2003/11/26 11:37 静穏な状態が続いています。宇宙から見た日食の影をご覧ください。
2003/11/27 07:16 静穏な状態です。太陽黒点507によるフレアに注意してください。
2003/11/29 08:42 しばらく静穏な状態が続くと思われます。
2003/11/30 08:04 とても静穏です。太陽風速度が350〜400km/秒に低下しています。
2003/12/ 1 12:31 太陽風磁場が南を向いているため、磁気圏内の活動度がやや上がっています。
過去のニュースの全リスト

2003/12/ 2 10:11 更新
現在は静穏です。明日以降、コロナホールの影響による擾乱が予想されます。

担当 篠原

SOHO EIT 284の太陽画像をご覧ください。
太陽の中心に暗い部分が見えています。これはコロナホールと呼ばれる領域です。
ここでは太陽の磁場が開いているため、コロナガスが磁場に閉じこめられず、太陽から激しく吹き出しています。
そのためコロナの温度が下がり、暗い領域として見えているのです。
噴き出したガスは高速の太陽風となって、太陽の周囲に飛び出して行きます。
これが地球に当たると、磁気嵐や激しいオーロラ活動などを引き起こします。
コロナホールは太陽の中心をやや過ぎた位置に見えていますので、
明日以降にこのコロナホールによる高速太陽風の影響が地球に及び始めると思われます。

ACE衛星のデータによると、一旦やや高速になった太陽風速度(黄線)は再び低下し、現在は400km/秒程度です。
磁場強度(白線)も5nT程度で、現状では大きな擾乱は発生しないと思われます。
沖縄の磁場データも、再び落ち着いて静穏レベル(青線)に戻りつつあります。
今後は、高速太陽風の到来に注意する必要があります。

最後に、SOHO衛星による太陽黒点の画像です。
小さいものが多いですが、あちこちに散らばって、にぎやかな太陽表面です。


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。