宇宙天気ニュース

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です

これまでの経過
2003/11/22 22:31 磁気嵐は終了し、現在は静穏です。
2003/11/23 22:58 磁気圏は静穏ですが、太陽風がやや高速なため擾乱が活発になる可能性があります
2003/11/24 12:05 現在も静穏な状態が続いています。
2003/11/25 10:44 太陽風の速度が再び上昇しています。オーロラ活動が活発化する可能性があります。
2003/11/26 11:37 静穏な状態が続いています。宇宙から見た日食の影をご覧ください。
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2003/11/27 07:16 更新
静穏な状態です。太陽黒点507によるフレアに注意してください。

担当 篠原

SOHO衛星 EIT284の写真によると、大きなコロナホール(太陽面の暗く見える領域)は見られなくなりました。
コロナホール(高速太陽風の放出領域)を要因とする磁気擾乱はしばらく無いでしょう。

ACE衛星の太陽風データでは、太陽風の速度は500km/秒近くにまで低下しています。
太陽風磁場もほとんどの時間帯で北寄りを向いていたため、磁気圏内はたいへん静穏な状態を保っています。
沖縄の磁場も昨日一日、ほとんど変化無く動いています。
太陽風磁場が南基調になれば、現在も5nT程度の強度がありますので、
サブストーム・オーロラ活動が活発化すると思われますが、
太陽風速度が通常レベル近くまで下がっていますので、激しい活動にはならないでしょう。

ただし、SpaceWeather.comによると、
太陽黒点の507(前周期は488と呼ばれていました)が大きなエネルギーを蓄えていて、
Xクラスの大型フレア(太陽爆発)を起こす可能性があるとのことです。
この黒点が地球側を向いている間に爆発が起こった場合は、磁気嵐を発生させると思われます。


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。