宇宙天気ニュース

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です

これまでの経過
2003/11/21 21:10 磁気嵐は終息しつつあります。太陽はフレアを活発に起こしています。
2003/11/22 22:31 磁気嵐は終了し、現在は静穏です。
2003/11/23 22:58 磁気圏は静穏ですが、太陽風がやや高速なため擾乱が活発になる可能性があります
2003/11/24 12:05 現在も静穏な状態が続いています。
2003/11/25 10:44 太陽風の速度が再び上昇しています。オーロラ活動が活発化する可能性があります。
過去のニュースの全リスト

2003/11/26 11:37 更新
静穏な状態が続いています。宇宙から見た日食の影をご覧ください。

担当 篠原

IMAGE衛星と呼ばれる、宇宙からオーロラを観測する人工衛星があります。
この衛星によって、24日朝の皆既日食の際に南極大陸に月の影がかかっている様子が撮影されました。
その写真を数枚ご紹介します。日本時間24日6時半〜7時半にかけて、15分毎の写真です。
丸く光っているのが地球です。
上側が昼、下側が夜、左側が北極、右側が南極地域です(6枚目に地図を重ねた写真を載せています)。
現在、南極地方は夏ですので、一日中昼が続く白夜の季節です。
順番に見ていただくと分かりますが、月の影が南極地方を移動している様子が見えます。
最後の写真では、ちょうど月の影の中にオーロラの光の帯が見えています。
普通では太陽の光に邪魔されて見えないはずの、白夜地帯のオーロラです。

太陽風は再び速度を低下させ、550km/秒に下がっています。
磁場強度は5nTを保っていますが、南を向く時間があまり無いため、大きな磁気擾乱は発生していません。
沖縄の磁場データを見ると、世界時25日16時(日本時26日1時)に急峻な増加が見られます。
これは、サブストームと呼ばれる磁気圏の擾乱が発生した事を示しています。
オーロラ指数からもオーロラ活動がこの時刻に活発化した事が分かっています。
ただし、あまり大きな活動ではありませんでした。


IMAGE衛星の写真、日本時間11月24日 06:29
SSL, UC Berkeley / CRL


IMAGE衛星の写真、24日 06:48
SSL, UC Berkeley / CRL


IMAGE衛星の写真、24日 07:00
SSL, UC Berkeley / CRL


IMAGE衛星の写真、24日 07:15
SSL, UC Berkeley / CRL


IMAGE衛星の写真、24日 07:29 (淡くオーロラの帯が見えています)
SSL, UC Berkeley / CRL


IMAGE衛星の写真、上の写真に地図を重ねた図です。
SSL, UC Berkeley / CRL


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。