宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (09:46)
太陽フレアは静かです。
太陽風は速度、南向き磁場ともに静かです。
磁気圏は静かです。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
7/10 --- ---
7/ 9 --- ---
7/ 8 --- ---

黒点  7/10 (NOAA)
磁場 フレア
1024 5 β ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
09:37 370 +0.7
-2 h 374 +3.1
-4 h 377 +4.9
-6 h 368 +0.6
-8 h 328 -2.5
-10 h 323 -0.4
-12 h 315 +1.1

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
08:59 0 11/ 5
-2 h -3 9/ 12
-4 h -10 16/ 7
-6 h -13 10/ 12
-8 h -10 10/ 3
-10 h -12 7/ 4
-12 h -13 4/ 6

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 3x10^1
7/10 0.7 5x10^1
7/ 9 0.7 3x10^1
7/ 8 0.9 8x10^1
7/ 7 0.5 8x10^1
7/ 6 0.8 3x10^2

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2009/ 7/ 5 12:03 1024黒点群が大きくなっています。Bクラスのフレア活動も頻発しています。太陽風は低速で、静穏です。
2009/ 7/ 6 09:59 1024黒点群で、C2.7の小規模フレアが発生しました。Cクラスフレアは7ヶ月ぶりです。
2009/ 7/ 7 10:41 C1.0の小規模フレアが発生しました。1024黒点群は次第に弱まっています。24期の黒点群をまとめてみました。
2009/ 7/ 8 12:22 1024群は、黒点の規模を保っています。太陽風は低速で、磁気圏も概ね静穏です。
2009/ 7/ 9 12:56 1024群は、大きく見えていますが、活動は穏やかです。太陽風は低速状態が続いています。
最新のニュース

2009/ 7/10 09:46 更新
太陽風に小規模の変化がやってきました。コロナホールの影響でしょう。1024黒点群は静かです。

担当 篠原

昨夜、10日2時(世界時9日17時)頃から、太陽風の各データに変化が現れました。
小規模ながら、コロナホールの影響が始まったようです。

具体的には、磁場強度は、3nTから一旦10nTに強まりました。
現在は少し下がって、8nTほどです(最後に急に5nTに落ちていますが)。
密度は、3個/cm^3ほどだったのが、10個/cm^3を超えて、20-30個/cm^3くらいに増えています。
そして、速度も上がっていますが、
320km/秒から370km/秒に上がった程度で、低速風のままです。
コロナホールの影響は、このまま、限定的なものになりそうです。

このため、磁気圏も比較的静穏です。
AE指数では、250nTほどの小規模のオーロラ活動が3〜4回見られた程度です。
この程度であれば、速度が高まらずとも、太陽風磁場が南を向くくらいで発生します。

今後も太陽風が特に強まらないのであれば、磁気圏の活動もこの程度に留まるでしょう。


今回の太陽風の変化を作ったと思われるコロナホールは、規模も小さく、
太陽風の変化は比較的短時間に終わるでしょう。
SOHO EIT195では、コロナホールは西の端に近づいて見えます。

一方、次のコロナホールが、太陽の中心に来ています。
こちらの影響が、3日後の13日頃に来るのではないかと思われます。
こちらも規模は小さいので、太陽風の変化は小規模になるでしょうか。


放射線帯の高エネルギー電子は、低い状態が続いています。
今回の太陽風の乱れは小さかったので、放射線帯も低いままでしょう。


1024黒点群は、太陽の西の端に近づいています。
X線の変化は次第に小さくなっていて、もう目立った活動は起こしていません。
このまま静かに向こう側に消えて行きそうです。

STEREOを参考に見ても、他に活動的な領域は見られず、
太陽は一旦無黒点に戻りそうです。



SOHO EIT195による、太陽コロナの様子。10日9時半(世界時10日0時半)。
(c) SOHO (ESA & NASA)、画像加工 : 宇宙天気ニュース


SOHOによる、太陽可視光写真。南半球西側に1024黒点群が見えます。10日1時半(世界時9日16時半)。
(c) SOHO (ESA & NASA)


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。