宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2004/ 9/ 3 10:31 更新 太陽風は通常の速度で、磁気圏も穏やかです。午後以降に小規模の擾乱が見られるかもしれません。 担当 篠原 ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は昨日より緩やかに低下して、 現在420km/秒の通常のレベルになっています。 磁場強度は2nTまで弱まっています。 (グラフの縦軸が拡大されていますので、一見気付かないかもしれません) このため地球の磁気圏は穏やかで、 オーロラ活動はほとんど見られなかった様です(AE指数参照)。 昨日のニュースでお知らせしました様に、31日のCME(太陽ガスの放出現象)による高速太陽風が 今日の午後以降地球に到達するかもしれません。 CMEが地球から真横方向に放出されていた事から、影響は小さいでしょうが、 太陽風速度の上昇、磁場強度の増大などによって磁気圏がやや活動的になる可能性があります。 太陽は27日で一回りして、同じ面を地球に向けます。 太陽に見られるコロナホールや磁場のセクター構造なども太陽の自転とともに回転しますので、 宇宙天気は27日周期で変化する性質があります。 27日前(更に54日前なども)の太陽風の様子を振り返ることで今後の予想を立てることができます。 27日周期の図をご覧下さい。 間もなく、太陽風磁場のセクター境界を越えそうです。 太陽風の磁場が「地球から太陽方向(T)」から「太陽から地球方向(A)」に大きく切り替わる現象です。 前周期、前々周期の傾向を見ると、このセクター越えの後に、 太陽風磁場の強度が増加して、コロナホールによる太陽風速度の上昇が見られています。 もし、同様の傾向が今回も見られるとすると、今後1週間程、速度の上昇が起きるかもしれません。 一方、SOHO EIT284の太陽画像を見ると、全体がのっぺりしていて分かりにくいのですが、 太陽中心付近の上寄りと下寄りに多少暗い部分が見られ、ここがコロナホールになっている様です。 比較のため27日前の太陽を見ると、この頃はコロナホールがよりはっきりと見えていた様です。 コロナホールが弱まっていると考えると、今回は高速風の影響は小幅に留まるのではないかと予想されます。 今後の変化に注目して下さい。 太陽面では667黒点群が姿をはっきりと見せ始めました。 活動は穏やかで、フレア活動も特に観測されてはいません。 このまま静かな状態が続くでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版) 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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