宇宙天気ニュース

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です

これまでの経過
2003/12/ 5 10:27 静穏な状態が続いています。コロナホールの影響は無かった様です。
2003/12/ 5 15:58 太陽風磁場が大きく南を向いたため、磁気嵐が開始しています。
2003/12/ 6 09:58 磁気嵐は終息に向かっています。オーロラ活動はしばらく続きそうです。
2003/12/ 7 20:11 太陽風の速度が下がり、静穏になっています。
2003/12/ 8 10:05 太陽風磁場が南向き傾向のため、オーロラ活動がやや活発な様です。
過去のニュースの全リスト
最新のニュース

2003/12/ 9 11:04 更新
コロナホールの影響で、太陽風の速度が上昇しています。

担当 篠原

太陽風磁場の南向き傾向は昨日のニュース発行後も続き、昨日は一日中オーロラ活動も活発だったようです。
ACE衛星の太陽風の磁場データを見ると、南向きに-5〜-10nTの状態が安定的に続いています(赤線)。
太陽風速度(黄線)も500km/秒以上とやや速かったため、
太陽風から地球磁気圏に多くのエネルギーが流れ込み、活発なオーロラ活動を引き起こしたようです。
オーロラの活動度の指標であるAE指数のグラフを見ると、500nTを越える時間が長く続き、
何度も1000nTを越える激しい活動を示しています。
沖縄の磁場データでは、12月5日の磁気嵐の影響が消える前にオーロラ活動が再び激しくなったため、
-50nTの線から戻りきらずに、そのまま再び下がりそうな気配です。
(このグラフでは、線が下がるほど磁気嵐などの活動が活発になったということを意味します)

8日18時(世界時8日9時)頃から太陽風の速度が緩やかに上昇を始め、現在は650km/秒近くに達しています。
先日からお知らせしていたコロナホール(SOHO EIT284の太陽画像に見える暗い部分)の影響が地球に届いた様です。
SOHO EIT284の画像を見ると、太陽の赤道部分にあるコロナホールの末端(左端)がほぼ太陽の中間点に見えています。
このことから、高速太陽風の影響は今後3日程度続くと思われます。
また、コロナホールの分布を見ると、南側に寄りつつ更に東側(左側)へ広がりを見せています。
この領域の高速太陽風も地球へ影響を及ぼす場合には、今後一週間程度は荒れた状態が続くと思われます。


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。