Happy New Solar Cycle !!
2008年 1月15日作成 宇宙天気ニュース 篠原 学
2007年12月中旬に、新しい磁場極性の領域が現れたことを
新しい太陽周期の始まりか?
の記事で詳しく紹介しましたが、
その後、1月4日にとうとう新しい黒点が太陽に発生しました(
1月5日の宇宙天気ニュース
)。
新年早々の出現でした。
このページでは、この、第24活動周期最初の黒点を詳しく紹介しましょう。
データ提供 : SOHO MDI Continuum、Magnetogram。作図 : 宇宙天気ニュース
まずは、この動画を見てください。
上の写真に、黒点が一瞬姿を現します。
黄色の矢印が出ますので、その先に注目してください。
10981黒点群と呼ばれたこの群は、SOHOの写真では1月4日に姿を現し、6日に消えました。
2日間だけの、束の間の出現でした。
この黒点群の特徴のひとつは、その出現緯度です。
前回の特集記事
で紹介しましたが、
活動周期の始まりには、黒点は緯度30度くらいの、やや高めの領域に出現します。
そして、周期が進むとともに出現する緯度が下がり、11年後の周期の終わりには赤道の近くに達するのです。
今回出現した10981黒点群は、新しい位置、北緯30度付近に出現しています。
(この図の緯度線は、目安の線です。正確には
SolarMonitor
などを参照してください)
SOHO MDI Continuumより。作図 : 宇宙天気ニュース
もうひとつの特徴は、磁場極性の順番です。
前回の記事で紹介しましたが、第23活動周期では、北半球の磁場極性は [黒(S極)・白(N極)] の順番に並んでいました。
この極性は、南半球では逆転し、[白・黒] となります。
次の写真は、上とほぼ同じ時刻の、太陽の磁場分布の様子です。
矢印で示した黒点付近の磁場のかたまりに注目してください。
[白・黒] の順番に並んでいます。
これは、第23期の極性とは反対です。つまり、この黒点群は、新しい周期の性質を持っているのです。
SOHO MDI Magnetogramより。作図 : 宇宙天気ニュース
ちなみに、赤道の南にある領域は、[白・黒] と並んでいます。
これは、前の周期の南半球の性質です。
低緯度側には、古い周期の性質がまだ残っているのです。
最後に、極端紫外線の写真を紹介しましょう。
黒点の部分が、小さく明るく輝いています。
これを見ても、今回はまだまだ小さな活動領域でした。
SOHO EIT195より。作図 : 宇宙天気ニュース
この様に、12月中旬の兆しに続いて、とうとう北半球側で新しい黒点群が出現しました。
しかし、これに続く黒点群は、1月15日の段階ではまだ現れていません。
黒点が頻繁に発生するようになるのは、いつからなのでしょうか。
また、南半球の第一号はいつになるでしょうか。
11年に1度の楽しみです。じっくりと太陽をながめていきましょう。
新しい太陽周期の始まりを知らせるWebページを紹介します。
どうぞご覧下さい。
京都大学 大学院理学研究科附属天文台, 2008/ 1
第24太陽活動周期始まる
Solar Influences Data Analysis Center - SIDC, Royal Observatory of Belgium, 2008/ 1/ 8
A first cycle 24 sunspot
(英語)
SCIENCE@NASA, NASA, 2008/ 1/10
Solar Cycle 24 Begins
(英語)
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