宇宙天気ニュース

2003/11/19 10:30 作成

当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
担当 篠原
 

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・フレア(太陽爆発)によってハローCMEが観測されました

11月18日16-17時(世界時18日7-8時)頃に太陽黒点501でM3.2とM3.9の中規模のフレア(太陽爆発)が発生しました。
太陽黒点501はほぼ地球正面に位置しています。
GOES衛星のX線観測データにX線の上昇が観測されています。
これに続いて東縁で別のフレアが発生したため、X線データは複数のピークが重なった様に見えています。

このフレアに伴って、full Halo型と呼ばれるCME(太陽プラズマの放出現象)がSOHO衛星によって観測されました。
full Halo型とは、ガスの放出方向が地球側(あるいは地球と逆方向)を向いていたため、
太陽と同心円を描くように太陽ガスが放出されていくCMEの事です。
放出速度の見積もりによると、明日、20日の昼頃に衝撃波が地球に到達する可能性があります。

参考:SOHO衛星のLASCO C3のムービーを御覧下さい。

現在の磁気圏擾乱の状況ですが、太陽風の速度は順調に低下し現在は600km/秒レベルに下がっています。
磁場強度も4nT以下に弱まっていますので、磁気擾乱への影響は小さくなっています。
沖縄のデータはほぼ静穏レベルに戻っています。

(SOHO衛星によるHalo CMEの映像を記事中に紹介できず、申し訳ありません。
 現在、記事掲載システムの更新中で、更新後はSOHO衛星の写真も紹介致します。)


SOHO衛星(ESA,NASA)MDIカメラによる太陽面
(c) SOHO (ESA & NASA)

GOES衛星(NOAA)の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC

ACE(NASA)が観測した太陽風の磁場(1番上の枠)と太陽風の密度(3番目の枠)、速度(4番目の枠)
(c) NOAA/SEC

沖縄の磁場擾乱
(c) CRL



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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。