現在の太陽活動 --2008年前半を終えて--

2008年 7月 7日作成 宇宙天気ニュース 篠原 学


2008年1月4日に新しい活動周期の太陽黒点が出現して、半年が過ぎました。
2008年としてもちょうど折り返しですので、ここまでの太陽活動を振り返ってみましょう。

初めに、1976年から現在まで、3活動周期分の太陽黒点の変化です。

データ : spidr.ngdc.noaa.govより。作図 : 宇宙天気ニュース


黄色の小さな点は、1日の黒点相対数です。
そして、青い線は3ヶ月平均のグラフです。
10年程度の周期で、黒点数が大きく波打っていることがよく分かります。

2000年にピークを迎えた第23活動周期は、2003年頃からどんどんレベルが下がり、
現在、極小を迎えつつあります。

今年の1月に、太陽活動の次の周期、第24活動周期の性質を持つ黒点が出現しました。
しかし、それは、ただちに第23期の終わりを示すのではなく、
第23期から第24期への移り変わりの途中のできごとに過ぎません。
新しい活動周期の始まりは、黒点数の変化を見て判断されます。

では、第23活動周期の黒点数の下がり方を、拡大して見てみましょう。

データ : spidr.ngdc.noaa.govより。作図 : 宇宙天気ニュース


黒点相対数は、2003年頃からどんどん下がっていき、
2007年末から現在にかけて、底を打った様になっています。
ここで、極小を越えたのでしょうか?

もうひとつの参考資料として、2007年以降の各月の無黒点の日数を数えてみましょう。

2007/ 1 0日
2007/ 2 6日
2007/ 3 15日
2007/ 4 22日
2007/ 5 4日
2007/ 6 11日
2007/ 7 8日
2007/ 8 8日
2007/ 9 22日
2007/10 28日
2007/11 24日
2007/12 13日
2008/ 1 19日
2008/ 2 22日
2008/ 3 17日
2008/ 4 20日
2008/ 5 22日
2008/ 6 18日

2007年10月は、1ヶ月のうち、28日が黒点のない日でした。
その前後の月も20日を超えていて、この3ヶ月間は突出した感があります。
この直後に、第24期の磁場構造や黒点群が出現したこともあり、
ここが極小だったのかもと思わされました。

しかし、その後、2008年に入っても、各月の無黒点の日数は20日を前後していて、
2007年末ほどではないものの、かなり低いレベルを保っています。
太陽活動は折り返しを迎えたのでしょうか、まだこれからなのでしょうか。



過去の太陽活動の長さをまとめたページがあります。
http://www2.nict.go.jp/y/y223/sept/swcenter/cycle.html
NICTの亘さんが作成しているページです。

この表を参考にして、1860年以降の太陽周期のうち、
極大から極小までが最も長かった、
1870から1878年(11期、8.33年)と、1894年から1901年(13期、8.00年)、
逆に、極大から極小までが最も短かった、
1928年から1933年(16期、5.42年)、1917年から1923年(15期、6.00年)を、
今回の周期と比較してみましょう。

データ : spidr.ngdc.noaa.govより。作図 : 宇宙天気ニュース


この図の、縦の赤線は極大を表しています。
各周期をそこに合わせ、そこから極小(緑の線)までの様子を図にしています。
まん中の、オレンジ色のグラフが現在のデータです。

いかがでしょうか。
既に極小を迎えている可能性はありますが、
ともかく、長かった記録にかなり近づいていることは確かです。


これから太陽活動ががどのように立ち上がって行くのか、
だいぶじらされている感じがしますが、しっかりと見届けていきましょう。
何と言っても、11年に1度のチャンスなのですから。


最後に、1860年以降の太陽活動の移り変わりのグラフを紹介します。

データ : spidr.ngdc.noaa.govより。作図 : 宇宙天気ニュース


上の図に示した、周期の長さの違いを読み取るのは少し難しいですが、
山の高さには、ずいぶん違いがあります。
これからやってくる第24活動周期は、どのような山になるのでしょうか。




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